W杯で復活を果たしたオランダ その背景とは
ユーロ2012のとき、出場機会を与えられない選手たちは明らかに冷めていた。しかし、今大会のオランダは選手の口からも「チームスピリッツが最高だ」という声が聞こえて来る。中でも目立つのが控え選手の活躍だ。今大会、フィールドプレイヤーとして出場機会が無いのはMFクラーシーだけ。それ以外の選手は短い出場時間でしっかり自分の役割を果たしている。 メキシコ戦後、カイトは「今日はクラース・ヤン(フンテラール)がゴールを決めたけど、メンフィス(デパイ)やリロイ(フェル)も前の試合でゴールを決めている。ジェレメイン(レンス)だって途中出場で良いプレイをしている。それがオランダの力。みんな、必要な力なんだ。ジョルディ(クラーシー)だって、すぐに試合に出る準備は整っているよ」。デ・ヨンはメキシコ戦で負傷し、今後の出場は望めなくなったが、それでもチームの一員として最後まで帯同するという。そのデ・ヨンの代わりとして、いよいよクラーシーの出番が来るかとオランダでは期待されている。 ユーロ2012の体たらくに失望したオランダ人は、今、彼らの一体感溢れる代表チームの活躍に再び信頼を寄せ始めている。 (文責・中田徹/欧州在住スポーツライター)