大会無得点に終わったルカク、涙のPK失敗で初ゴールを逃したロナウド…勝敗では明暗を分けた2人のストライカーにメディアからは厳しい指摘が
現地時間7月1日、EURO2024はラウンド・オブ・16の最後の2試合が行なわれ、フランス代表はベルギー代表を1-0で下し、ポルトガル代表はスロベニア代表とのPK戦にもつれ込む激闘を制して、次ラウンド進出を決めている。 【動画】EURO2024決勝トーナメント1回戦、フランス対ベルギーのハイライト フランスはスリリングでハイレベルな戦いを展開しながら迎えた85分、ランダル・コロ・ムアニのシュートがヤン・ヴェルトンゲンに当たって軌道が変わるという形でのオウンゴールで奪った1点を守り切り、ポルトガルは決定的チャンスとピンチの両方を迎えながら最後までスコアが動かないまま11メートルの勝負に運命を委ねることとなり、GKディオゴ・コスタの3回連続セーブの神業により3-0の勝利を収めた。 この2つの試合では、キリアン・エムバペ、ロメル・ルカク、クリスティアーノ・ロナウドというサッカー界を代表するストライカーがピッチに立ったが、いずれも得点はなし。それぞれゴールに迫る場面はあり、なかでもロナウドは延長後半(105分)にディオゴ・ジョタが倒されて得たPKという絶好機を得たが、ゴール右隅へのシュートはGKヤン・オブラクの好反応に阻まれて思わず涙。その後、PK戦では1人目で成功させて強い精神力を示したが、もし負けていれば“戦犯”とされるところだった。 ポーランド戦でPKからゴールを奪ったエムバペを除けば、あとの2人はまだ得点なし。そしてルカクは大会を通して3度ゴールネットを揺らしたものの、いずれも無効とされ、失意の帰国を余儀なくされる羽目に……。これにはドメニコ・テデスコ監督も、「彼は完璧な攻撃者であり、守備陣にプレッシャーをかけるなど、あらゆる状況で危険な存在だが、今回は彼にとって難しい大会だった。本来ならグループステージで得点王になっているはずが、無得点で去ることになってしまった」と同情している。 しかし、予選で史上最多となる14ゴールを挙げたことにより大きな期待を寄せられながらも結果を残せなかったルカクに対しては、厳しい声も寄せられており、スポーツ専門チャンネル『FOX Sports』で解説を務めた元マンチェスター・ユナイテッドのダレン・フレッチァーは、ウィリアム・サリバに抑えられ、ボールタッチ20回、枠内シュート1本に終わったルカクを「彼はサリバによってショーツのポケットに収められてしまった」という表現で酷評した。 オーストラリアのスポーツ専門チャンネル『OPTUS SPORT』では、元イングランド代表のマイケル・ブリッジスが「失礼な言い方かもしれないが、ルカクはまるで、今日までサッカーをプレーしたことがないかのようだった。それほど酷かった。チャンスを逃し、ボールも保持できなかった。サリバが特別素晴らしいプレーをしたわけではないのに、ルカクは非常に厳しい状況に追い込まれた」と極めてネガティブに評している。 また、Jリーグでもプレーした元イングランド代表のジェイ・ボスロイドも、「誰にでもパスを通せるケビン・デ・ブライネが試合中一度もルカクにパスしなかったという事実が、全てを物語っている。これは、ルカクがボールを受けに来なかったことを示している。今夜のルカクは酷く、十分な働きを見せなかった。彼がボールを失い、フランスがそのまま攻撃して得点を決めた」と振り返った。 一方今大会初得点でEUROの史上最年長得点記録を更新するチャンスをフイにしたロナウドは、同じ最年長記録でも、PKを失敗した最も高齢な選手として記録を作ることとなってしまい、その精神面への影響が懸念されたものの、PK戦ではプレッシャーのかかるキッカーを1番手として務めて成功。ロベルト・マルティネス監督は「彼が最初のキッカーとして勝利への道を示してくれると確信していた。我々全員が、キャプテンを非常に誇りに思っている。彼は大切な教訓を、我々に与えてくれた」と賛辞を贈っている。
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