渋谷の女子高生「期待度1位」10代が共感する福島生まれの歌姫・片平里菜
「慣れない日々や恋の終わりだって そんなこともあったなんて 笑える日がくるのかな? 余裕の朝には上出来なメイクに 笑顔で始めよう 輝きたいの 女の子は泣かない」(『女の子は泣かない』) 福島生まれのシンガーソングライター片平里菜、22歳。彼女の歌詞には多くの女の子たちが、思わず「共感しちゃう」という。 トレンドに敏感な渋谷の女子高生もそう。昨年8月『夏の夜』でメジャーデビューした後、今年1月にリリースした2ndシングル『女の子は泣かない』、4月発売の3rdシングル『Oh JANE/あなた』の『Oh JANE』が渋谷の女子高生によるJ-POP期待度ランキングで1位に。アーティスト名を伏せた状態で曲を聴いた女子高生が「次にコレがクル」と選んだのだそうだ。 誕生日である5月12日、全国弾き語りツアー『片平里菜 あの場所で偶然 弾き語りツアー2014』を地元の東北からスタートさせた。アコギを片手に、今年は7月まで全国22カ所を回るという。ツアーファイナルは重要文化財「明日館」講堂、マイクもアンプもないアンプラグドでやるそうだ。 そんな「始まったばかり」の彼女に、音楽への気持ちや地元・福島への思いを聞いた。
アレンジはヒットメーカーの亀田誠治
──『Oh JANE』が再び、渋谷の女子高生から1位の支持を得ました。10代とか同年代とか、若い人から支持されるのは嬉しいですか? 「はい、嬉しかったです。最先端のイメージ、渋谷の女の子に選んでもらえたなんて、私は田舎ものなのに…(笑)自分が普段、言葉にできないことを曲にしてさらけ出したことで、共感してもらえたのかな? と思います。友達の赤裸々な話から書いた『女の子は泣かない』などもそうですけど、自分が素で書いた曲が共感を生むのかなと。いつかアルバムを出すとしたら、10代の頃に書いた曲や若い子たちに響くような歌も収録したいですね」
時間があれば曲を作っているという。そんな中で、うかんできたメロディーに、感じている気持ちや感情をのせてみる。新曲『Oh JANE』も、始まりはこの3行。 「たまには乱れてみたい いつまでもちやほやされたい でも女はわかってる」 「おなかの中に沈んでいた」言葉が思わず出てきて、「ありそうで、ない。新しくてキャッチーだなって思って」曲にしたという。そうして、ドキっ? とするような歌い出しが印象的な『Oh JANE』が生まれた。そしてもう一曲は、しっとりと語りかけるような『あなた』。 その両A面シングルを手がけたメンバーを知って驚いた。 『Oh JANE』のアレンジは亀田誠治。あの椎名林檎、平井堅、スピッツ、スガシカオ、アンジェラ・アキ、JUJU、秦基博、いきものがかりらを手がけ、プロデュースした、元東京事変のメンバー、ベーシストである。NHKのEテレを見ていた人なら、『亀田音楽専門学校』校長としても覚えがあるだろうか。 亀田氏の手により、ギター一本で弾き語ったシンプルでストレートな曲が、広がりのある「素晴らしくかっこいい!」(里菜)曲へと「化学変化」した。そう、それこそ、亀田校長がおっしゃる、J-POPの面白さである。 一方の『あなた』は、秦基博の楽曲を手がけたり、矢井田瞳らをプロデュースする久保田光太郎が編曲を担当、レコーディングに東京スカパラダイスオーケストラの茂木欣一と沖祐市が参加している。『あなた』は映画『ライヴ』(5月10日公開)の主題歌にもなった。