流線形で歩きやすい! 進化した「KEEN(キーン)」のシューズ「ZIONIC(ザイオニック)」
米国オレゴン州ポートランド発のアウトドア・フットウエアブランド「KEEN(キーン)」が、これまで開発してきたハイキング用シューズのノウハウを活かし、トレイルでのスピードと機動性を追求した新しいコレクション「ZIONIC(ザイオニック)」をスタートさせた。 これまでも『キーン』のシューズを山歩きで愛用して、現在は2足目を履いている筆者は「ザイオニック」を見た瞬間「あっ!ガラッと変わった」と思った。そこでキーン・ジャパン合同会社を訪れ、マーチャンダイザーの中込敦志さんに新コレクションの特徴を尋ねた。
足に密着するようなフィット感と、素早い動きにも対応するサポート性が魅力!
「キーン」のハイキング用シューズに共通する大きな特徴がある。それは幅広の木型を使用し、つま先にゆとりを持たせた「トゥボックス構造」だ。シューズの中で足指を使いやすいので安定した歩行ができて、愛用している身としてはストレスが少なく疲れにくいように思える。 「創業の頃から『キーン』のいわゆるハイキングシューズ、トレッキングシューズすべてに言えることが、足指の動かしやすさです。もっと言えば元祖のサンダル『NEWPORT(ニューポート)』がすでに指をしっかり動かせるスペースのある、つま先を守れるアイテムでした。弊社のハイキングシューズ、トレッキングシューズは全部そこから進化してきました」 ゴツくて重たい登山靴を軽量化、カジュアル化させるのとは逆方向の進化だった。山岳用の靴からスタートするのではなく、快適なアウトドア用サンダルのよさを活かしてもっと遠くへ、もっと高くへ行けるシューズに進化したのが「TARGHEE(ターギー)」を筆頭とするアウトドア用シューズだった。そこから「ザイオニック」が生まれた。
より軽量で、よりアウトドアの楽しみを広げていくコレクションの第一歩
履いて歩くと何となくリラックスできて、気持ちにゆとりをもって自然を楽しめる。安定感のある従来のシューズから、流線形にアップデートした「ザイオニック」の目指すところについて、中込さんはこんな説明をしてくれた。 「アメリカでも日本でもコロナの前後でアウトドアの楽しみ方が変わってきて、1人を楽しむ傾向というか、パーソナルレジャーみたいなかたちで山に行って、自然を楽しむ機会が増えています。遊び方が多様化するなかで、人と競うレースには興味がないけれど、自分のペースで軽やかに行動したい。そんなニーズに応えるシューズが『ザイオニック』です」 ファスト&ライトという言葉が示すように、必要十分な軽い装備で行動すれば速いペースで移動しても負担が少なく、行動範囲を楽に広げられる。そのために工夫を重ねた結果が、流線形のフォルムでありデザインだという。 「従来の『キーン』のシューズに採用されている、中が広い『トゥボックス』構造の足型はとても快適だし安定感があります。とはいえスピード感のある歩行や、機敏な動きの操作性といった観点であらためて検討すると、シェイプできる余地があるとわかりました。あえて単純に言うとシューズ前部の縁を落として『足抜け』と『蹴り出し』がいいフォルムにしています」 従来のコンフォートな足型を多くの部分で活かしつつ、主に前方をスピードに対応できる形状にそぎ落とし、小走りになったり、なだらかな下り道で駆け出したりしやすいように、先端をやや上げてある。つま先が広いと、角が何かに当たる場面が増えて邪魔になりやすいので、適度に狭めて蹴り出しの力が中央に集まるデザインにした。