<鬼滅の刃>アニオリで鮮明にされた時透無一郎の解像度、モブ隊士のフォーカスも良き「無一郎くんの優しさを描いてくれてありがとう」
テレビアニメ「鬼滅の刃 柱稽古編」(毎週日曜夜11:15-11:45、フジテレビ系ほか/ABEMA・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)の第四話「笑顔になれる」が6月2日に放送された。毎話SNSを賑わしており、今回は恒例の「#鬼滅の刃」「アニオリ」の他、「時透くん」「紙飛行機」「モブ隊士」など複数の関連ワードがXトレンドにランクイン。視聴者が盛り上がったそれぞれのシーンを振り返っていく。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】笑顔かわいい、竈門炭治郎(CV.花江夏樹)と稽古する時透無一郎(CV.河西健吾) ■アニオリで鮮明にされる時透の解像度 「柱稽古編」は原作で言えば幕間のような短いパート。しかしながら、今後に関わる非常に重要なエピソードでもある。原作者・吾峠呼世晴が「人はいきなりは強くならない」として、担当編集者が提案する竈門炭治郎(CV.花江夏樹)の序盤修行シーンの短縮を断ったというのは有名な話だが、「柱稽古編」もまさにそれだ。 近づいてくる鬼舞辻無惨との決戦に向けて、炭治郎、柱、隊士たちはさらに強くなる必要がある。「柱稽古編」では“ムキムキ炭治郎”のように、その必要な成長が描かれている。それをさらに深掘りしたアニメ版は、たっぷりのアニメオリジナルでファンを毎回歓喜させている次第だ。今回はそんな「アニオリ」の中で、霞柱・時透無一郎(CV.河西健吾)の人物像が特にクローズアップされた。 ■容赦ないほどに厳しく稽古する時透の真意 時透と言えば前作「刀鍛冶の里編」で記憶を取り戻し、それと同時に本来持っていた優しさも取り戻した。ただ、記憶喪失の間に染みついた棘のある物言いは抜けていないらしい。稽古を付けてもらっていた下級隊士はきついしごきに倒れたうえに、氷針のように突き刺さる時透の言葉にトドメを刺されている様子。「はい死んだ」「君も死んだ」とバタバタと倒されていく隊士たちの姿はさすがに気の毒にも映る。しかし、真剣を持ち出すほど容赦のない稽古であっても、時透の真意は全く違った。 「僕は君たちに鬼に殺されてほしくない。できれば長生きしてほしいと思ってる。本当にそう思ってる」と、泣き崩れる隊士に気持ちを伝える。記憶が戻る以前の時透であれば絶対に出ることはなかった言葉だろう。第二話で炭治郎が言ったように、柱はみんな強くて優しい。このハートフルなやり取りは時透への解像度を一段と上げてくれるシーンとなり、視聴者からも「アニオリでただ厳しくて嫌みなだけじゃない柱を描いてくれるの本当に好き」「本当は熱すぎるくらいに熱い時透くんの心。一段と好きになった」などの声が寄せられる。 にしても、時透はどれだけ炭治郎のことが好きなのか。怯える隊士に向ける容赦ない打ち込みと冷血な言動。炭治郎を振り返る瞬間、途端に切り替わる満面の笑顔。もちろんこれは炭治郎が時透にとって大切なことを思い出させてくれた恩人だからというのと、“できる人”と“できない人”への厳しさの違いだ。それにしてもこの二面性のギャップは面白く、SNSでも「ますます時透くんを好きにさせてくれる」「時透きゅん、炭治郎のこと好きすぎでかわいいw」など、反響の大きいシーンとなっていた。 ■下級隊士もフォーカスする「柱稽古編」 今話ではXに「モブ隊士」もトレンド入り。これは前話でも同様だったが、柱稽古ではある意味、炭治郎以上にフォーカスされているのが下級隊士の面々だ。物語上、柱やかまぼこ隊のような強力な隊士が中心人物として描かれるが、彼らの手の届かない部分で鬼と必死に戦っているのが、階級が下の隊士たちだ。鬼殺隊は柱たちだけでは成り立たず、彼らがいてこそ動ける組織。だからこそ、お館様(産屋敷耀哉)も柱に訓練を頼んでいる。 柱の稽古内容が常人離れしすぎているだけについ頼りなく感じてしまうが、彼らも鬼と戦う決意を持って鬼殺隊に入隊した者たちだ。宇髄天元の稽古でも、時透との稽古でも、厳しさに涙を流しながらも決して逃げ出すことはなく、柱の存在にも尊敬と希望を持っている。最後、そんな彼らと時透が紙飛行機を飛ばすシーンは熱い演出だった。SNSでもここは、「全員いい顔してる」「本当なら青春してる年頃の子たち、泣ける」「鬼滅の刃アニオリで隊士達の存在も大事だって事教えてくれる感がよき」などのコメントが集中するシーンになっていた。 ちなみに今話で時透の趣味が紙飛行機と判明したわけだが、これは唐突に設定されたアニオリではなく、「鬼滅の刃 公式ファンブック 鬼殺隊見聞録」に掲載されている正式な公式設定。時透の趣味は「折り紙。死ぬほど飛ぶ紙飛行機を作れる」と記載されており、ここからの拝借となっている。本編だけでなく、こうしたところからネタを拾い、キャラクターの解像度を上げてくれているのがファンにはたまらないところだろう。 放送後には、「修行中は一番つまらなくなりがちなシーンだけど、1話がめっちゃ短く感じるくらい面白い」「無一郎くんの優しさを描いてくれてありがとう」「こんなに清々しい気持ちで観れるアニオリ入ったアニメそうそうないぞ」「毒舌烏(鎹烏)とモブ隊士のやり取り最高」など、視聴者から様々な感想が寄せられている。 ※鬼舞辻無惨の「辻」は点一つのしんにょうが正しい表記となります。 ■文/鈴木康道