YOASOBIの「アイドル」が映し出す日本の姿とは?“執筆3年の邦楽通史”に対する想いも<みのミュージック>
いつか破局的な出来事がやってくる?
―――なるほど。そう考えると、伊澤修二による音楽教育の西洋化は、それって日本語との相性はどうなのかといったことを国民が考える機会を与えなかった。そのやっつけ感が、良い意味でも悪い意味でも日本のうたの個性なのかなと思いました。 みの:そう。あそこで決定づけられてる感じがしますよね。とりあえず器用にやってしまうあたり、日本っぽいんですけどね。深いところをあまり考えずに、その場その場でやってしまう。そういう日本の長所もある反面、歴史を振り返ると周期的に破局的な出来事がやってくる。そうなって急に我に返る、みたいなこともある。あんまりまたそういうのは経験したくないですけどね。 <取材・文/石黒隆之 撮影/山田耕司> 【みの】 1990年シアトル生まれ、千葉育ち。2015年に3人ユニット「カリスマブラザーズ」を結成。2019年より独立し、YouTubeチャンネル「みのミュージック」を開設。現在、チャンネル登録者数は43万人を超える。また、ロックバンド「ミノタウロス」としても活躍。2021年より、Apple Musicのラジオ番組「Tokyo Highway Radio」のDJを担当している。著書に『戦いの音楽史 逆境を越え 世界を制した 20世紀ポップスの物語』、『にほんのうた 音曲と楽器と芸能にまつわる邦楽通史』(ともにKADOKAWA)がある 【石黒隆之】 音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4
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