嫌がらせ、ハラスメントに対し「笑顔でやり過ごす」とさらに攻撃を受ける。「心理的なゴミ箱役」にならないためには、冷静に対処が大切
◆「心理的なゴミ箱役」を引き受けてはいけない 結局、海外などとは違い日本では「平和至上主義」であり、穏やかに笑顔で返すケースが多いです。 例えば、相手から皮肉やわかりにくい嫌味を言われているのに笑顔を作ったり、マウントを取られているのに何も対処しなかったりといった具合です。 ほかにも、毎日のように特定の店員がいるときだけコンビニにやってきて説教をする老人、企業の電話オペレーターに言いがかりをつけて恫喝や脅迫を繰り返すカスタマーハラスメントなどに対しても、明確なノーが言えず、とにかく穏便に済ませようとします。 しかし、それがますます相手の加害行為を引き出す結果になってしまうケースも多いようです。 これらの人々は自分個人の抱えている問題やストレスの捌(は)け口として、無抵抗な相手を選んで吐き出しているものですから、受け取る必要はありません。 相手の「心の問題」を受け入れたり、受け止める側になったりしてはいけないのです。 この他人の愚痴や悪口、相手のストレス解消の受け皿になってしまうことを「心理的なゴミ箱役」と私は名付けています。 言いたいことが言えない人や対人恐怖を抱えている人ほど、この「心理的なゴミ箱役」を引き受けがちです。 一度引き受けてしまうと、相手に対して「心理的なゴミ箱役」を受け入れたというメッセージになってしまい、その後も相手の愚痴の吐き捨て場として利用されてしまいます。 相手のストレスや怒りは相手のものですから、丁寧にお返しするのがベストですが、そのやり方としては、様々な方法があります。
◆受動攻撃や意地悪をしてくる人への対処法 では、明確な意図を持った悪意のある攻撃的な言葉をぶつけられたり、嫌味や嫌がらせをされたりする場合、どのように対処したらいいのでしょうか。 私がいつもお伝えしているのは、自分自身が「相手の下」に潜り込まないように注意するということです。 受動攻撃(=表立っては攻撃せずに、わからないように嫌がらせをすること)をする人、意地悪する人、悪意を明確な意図として持って攻撃してくる人は、無意識的にも意識的にもターゲットを選んでいます。 まずはそのターゲットに選ばれないように意識することが大事になります。 攻撃者がターゲットを選ぶということは、自分自身が相手からの反撃を何よりも恐れている証拠です。 自分よりも意志が弱そう、反撃してこないと思われる、見下してバカにできるとみなした人間を無意識に狙ってきます。 そういう悪意を跳ね返す一番の特効薬は、相手に淡々と冷静に接するという態度を取ること。相手の悪意を受け取らないという姿勢を見せることなのです。
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