過去最低は「43.19%」都知事選の投票率は? 推移を振り返る
東京都知事選は5日に投開票を迎えます。過去最多の22人が立候補した選挙戦では、コロナ禍によって各候補は感染対策に配慮した活動を余儀なくされ、全体的に例年より静かなものとなりました。都知事選では、前回選挙で59.73%だった投票率の行方にも注目が集まります。戦後以降、投票率はどのように推移してきたのか振り返ります。 【一覧】都知事選が告示、コロナ禍の第一声 過去最多22人が立候補
●過去最高は1971年の72.36%
都知事選は、それまでの官選が改められ、1947(昭和22)年に公選で行われてから今回で21回目。これまでに現職の小池百合子氏を含めて9人が都知事を務めています。
第1回選挙は1947年4月5日に実施されました。安井誠一郎氏が当選し、投票率は61.70%でした。初代都知事となった安井氏はその後、3期12年を全うし、次の東龍太郎氏にバトンタッチします。 東氏は1964(昭和39)年に東京五輪が開催された当時の都知事で、1967年まで2期8年を務めました。初当選した1959年4月23日の選挙では、投票率が70.12%と都知事選として初めて70%台を超えました。 次に都政を担ったのは美濃部亮吉氏。「天皇機関説」で知られる憲法学者・美濃部達吉氏の長男で、初の革新知事として福祉政策を推し進め、1979(昭和54)年まで3期12年を勤め上げました。再選を目指した1971(46)年4月11日の選挙では投票率が72.36%を記録。この数字が現在でも都知事選の最高の投票率です。さらに美濃部氏はこの選挙で実に361万5299票を獲得。その後の40年以上、都知事選における最多得票数でした。 都知事の歴史の中で、もっとも長い4期16年を務めたのが鈴木俊一氏。そして都知事選の歴史上で、もっとも低い投票率を記録したのは鈴木氏が3選を目指した1987年4月12日の選挙で43.19%でした。東知事時代に副知事を2期務め、知事就任後は都の財政再建に取り組み、臨海副都心の開発にも注力しました。都庁が丸の内から現在の西新宿に移転したのも鈴木都政の時でした。ただ4度戦った都知事選の投票率は全般的に低調で、鈴木氏が再選を目指した1983年4月10日の選挙で47.96%と初めて50%台を割り込みました。 直木賞受賞作家で放送作家などとしても活躍した青島幸男氏は、鈴木氏が掲げた臨海開発の目玉だった「世界都市博覧会」の中止を公約に掲げ、1995(平成7)年4月9日の選挙で当選。投票率は50.67%でした。しかし都市博の中止を決定した以外は大きな実績は残せず、1期4年で退任しました。