過去最低は「43.19%」都知事選の投票率は? 推移を振り返る
●2012年の猪瀬氏が過去最多433万票
次に都政のリーダーとなったのは、芥川賞作家で国会議員としても環境庁長官や運輸相を歴任した石原慎太郎氏でした。環境対策として国に先駆けてディーゼル車の排ガス規制を実施したほか、1964年に続く東京での五輪開催を目指し、招致活動を推進しました。一方で、中小企業支援を目的に「新銀行東京」を設立しましたが、累積赤字が膨み経営難に陥りました(2018年に東京都民銀行、八千代銀行と合併し消滅)。1999(平成11)年4月11日の選挙で初当選した際の投票率は57.87%。以後3度の都知事選に勝利しましたが、再選を目指した2003年4月13日の選挙では308万7190票を得て圧勝しました。この時の選挙は立候補者がわずか5人で投票率も44.94%でした。2012(平成24)年10月、国政に復帰するため、4期目途中に任期を2年半残して辞職しました。 それまで4月に行われてきた都知事選は、この石原氏の辞任を受けて2012年は12月16日に実施。当選したのは作家の猪瀬直樹氏で、投票率は62.60%と37年ぶりに60%台を回復しました。さらに得票数は433万8936票を記録し、これまでの都知事選での最多得票数となっています。石原都政を引き継ぎ、東京五輪の招致を進め、2013年9月には2020年大会の開催が決まりました。しかし現金授受問題が発覚し、わずか1年余りで辞任に追い込まれました。 猪瀬氏辞任を受けた都知事選は2014年2月9日に行われ、国際政治学者から参院議員に転じ、厚生労働相を務めた舛添要一氏が当選しました。投票率は過去3番目に低い46.14%でした。東京五輪の成功などを掲げて都政を進めましたが、公私混同問題や政治資金問題が報じられ、2016年6月に辞任しました。 前回選挙となる2016年7月31日の都知事選では、テレビキャスターを経て、政界に転身し、環境庁長官や防衛相を歴任した小池百合子氏が初当選。投票率は59.73%で、291万2628票を獲得しました。 そして今回。任期満了に伴う都知事選は2011年以来で、過去最多の22人が立候補しました。主な候補者は届け出順に、れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)、現職の小池百合子氏(67)、元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(73)、前熊本県副知事の小野泰輔(たいすけ)氏(46)、NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)ら。各候補は17日間の選挙戦を終え、都民の審判を待ちます。
●コロナ禍の期日前投票は6万人増
都選挙管理委員会によると、6月19日から投票2日前の7月3日までに期日前投票を済ませた有権者の数は137万8422人。前回より6万人以上増えています。今回の都知事選での選挙人名簿登録者数は、6月17日現在で1146万8938人(前回より19万3549人増)ですが、最終的な投票率はどうなるでしょうか。