大阪~九州・新造船フェリー就航 トラック運転手への配慮も
大阪~九州・新造船フェリー就航 トラック運転手への配慮も THEPAGE大阪
大阪と北九州を結ぶフェリー航路を運行する名門大洋フェリーが16日、同社最大級の新造船「フェリー大阪II」「フェリーきたきゅうしゅうII」を就航。それにあわせ大阪市住之江区南港のフェリーターミナルで報道公開も行われた。同船にはトラック運転手向けの1人部屋「ドライバーズルーム」や電気自動車充電設備を設置するなど様々な面で新たなものを取り入れており、同社の阿部哲夫社長は「私たちは海の良さ、フェリーの良さを満喫しゆっくり休んで頂き、目が覚めたら九州にと考えているのでお客様のターゲットをある程度絞っていく」などと話している。
一隻60億円、設備環境も合わせ130億円強かけた
阿部社長によると、今回の造船にかかった費用は一隻60億円。それに加え、九州側のターミナルビル建設や大阪の積載設備などを含め、合わせて130億円強の費用をかけたという。 また、これまでの「フェリーおおさか」「フェリーきたきゅうしゅう」は総トン数9749トン、全長160メートル、全幅25メートルだったが、今回造船された船は約1万5千トン、全長183メートル、全幅27メートルとなり、同社の歴代最大級のものになったという。 今回の導入は、長距離トラックドライバー不足や排出ガス規制、高速道路無料化撤廃といった、従来の環境問題や物流業界の危機的就労状況といった社会的背景を受け、新造船を決めたという。
ネット予約で最大40%割引も
そして、今回新たに造られた船は、ドラック運転手用に1人部屋のドライバーズルームを導入。また、荷役時間を短縮させるため、荷役口を2つ設置したうえ、港に可動橋を設置することにより、搬入口の渋滞を緩和し、スムーズな荷役を実現できるという。 環境面でも、ハイブリッド型推進方式を採用し、燃料の消費量を削減。すべての船に電気自動車充電設備を複数設置している。また、旅客の面では、車いすの利用者を配慮した乗降施設のバリアフリー化。パウダールームや授乳室、wifi完備などを実現し、ゆっくりとすごせる工夫があちらこちらに見られた。 そして、乗船ではインターネット割引など予約システムのリニューアルも図り、乗船名簿の記入で列ができるなどの状況を避けることもできる。また49日前に予約すると、最大で40%割引で買うこともでき、担当者は「これで乗船環境は変わると思う」と話す。
社長「海の良さ、フェリーの良さを満喫してほしい」
同社の阿部社長は「我々は鉄道や高速バスなどにはどうしたって時間は勝てません。街中にターミナルがあるわけではなく、港に来てもらわなくてはならない。しかし、私たちは海の良さ、フェリーの良さを満喫しゆっくり休んで頂き、目が覚めたら九州にと考えているのでお客様のターゲットをある程度絞っていく」と意気込みを語っていた。