坂本勇人は2500安打、ダルビッシュ有は日米通算200勝と偉大な記録が射程に入る2024年となる photograph by Kiichi Matsumoto/Nanae Suzuki

　シーズンオフは、プロ野球選手の記録が動かない期間だ。記録マニアの人々は、この間に集計して記録をアップデートする。それができて「年が越せる」という印象だ。シーズンが始まると「記録が動き始める」から、記録好きは、日々の数字で一喜一憂するのだ。 【レア写真】「坂本17歳、坊主頭伸びかけでヤンチャそう…」ガリガリでも凄い18歳大谷さんとダル、浅村やマー君、不敵に笑う中田翔…など名選手の球児時代を全部見る 　今季、節目の記録に向けて、カウントダウンが始まっている選手を見ていこう。

過去7人しかいない2500安打も坂本35歳なら通過点

【打者編】 ・2500本安打 過去7人 　坂本勇人(巨)35歳2332安打 あと168本(今季11本) 　2500本安打達成者は以下の通り。 　張本勲3085安打、野村克也2901安打、王貞治2786安打、門田博光2566安打、衣笠祥雄2543安打、福本豊2543安打、金本知憲2539安打。7人全員が殿堂入りしている。 　坂本は昨年9月7日から、遊撃のポジションを若手の門脇誠に譲って三塁に回った。守備の負担が軽くなったことが打撃に好影響を与える可能性はあるだろう。今季は35打数11安打と上々の滑り出しだ。 　まだ35歳であり、2500安打は通過点。その先には王貞治の巨人最多安打2786安打が待っている。さらに言えば、張本勲に次ぐプロ野球2人目の3000本安打も見えてくるだろう。 ・2000本安打 過去55人 　青木宣親(ヤ)42歳1932安打 あと68本(今季3安打) 　中島宏之(中)41歳1928安打 あと72本(今季0安打) 　浅村栄斗(楽)33歳1849安打 あと151本(今季4安打) 　2000本安打は過去55人いるが、「野球殿堂入り」は21人だけ。必ずしも十分条件ではなくなっているが、「名球会入会資格」ではある。プロ野球選手は1万人を超しているから、その上位0.5％という極めてハイレベルな記録ではある。 　現役では青木があと68本。日米通算では2706安打(NPB1932安打、MLB774安打)とすでにクリアしているが、NPB単独での達成は目標だろう。またイチローの4367安打(NPB1278安打、MLB3089安打)に次ぐ日米通算3000本安打も、あと294本。これも具体的な目標だろう。 　今季、巨人から中日に移籍した中島はあと72本。2021年以降の3年間の安打数は49本、24本、5本で今季はまだ0本であり、かなり厳しいところだ。 　一方、楽天の浅村は今季、ポジションを二塁から三塁にコンバートされた。巨人の坂本同様、守備の負担を軽減するためだが、昨年2度目の本塁打王に輝くなど、まだ働き盛りで遅くとも来季初めには、大台をクリアするだろう。