日本軽金属が「LIB用端子部」開発。金属樹脂接合技術を活用
日本軽金属は22日、金属と樹脂の接合技術「PAL―fit」を用いたリチウムイオン電池(LIB)用端子部を開発したと発表した。一般的なガスケットを用いた部材に比べて部品点数や製造工程数を削減できるほか、端子部分の強度も向上。環境負荷の高いフッ素樹脂部品が不要になり、電池メーカーの高品質、低環境負荷ニーズを捉えたい考え。 一般的にLIB中の電解液は水分と接触すると、加水分解しフッ酸が生じる。そのため、LIBの気密性担保としてフッ素樹脂製のガスケットが多く用いられている。しかしながらフッ素化合物の一部は、環境的側面などから将来的に使用が制限される可能性もある。日軽金はフッ素化合物を利用するLIB用端子部に着目し、自社の金属樹脂接合技術を電池蓋に応用した端子部材を開発した。 日本軽金属が今回開発した端子部では、端子と蓋を樹脂射出一体成形で直接接合することで、フッ素樹脂製ガスケットを不要とした。フッ素樹脂製ガスケットを用いた一般的な部品と比べ、端子部押し強度・トルク強度ともに3倍超としたほか、冷熱衝撃試験後のヘリウムリーク評価も優れた数値を達成した。 「PAL―fit」は車載部品向けに採用実績を保有している。今回の開発品は角型・角筒形状の端子に利用できるもので、日軽金は車載用電池や定置型電池での採用を目指す。すでに複数の電池メーカーが評価に入っており、今後電池メーカーへ受注活動を進め、2027年ごろに本格的な量産に入りたい考え。さらに中長期的には売上高10億円規模のビジネスにつなげていく計画。