ロシア政府、ドイツ人ジャーナリスト2人に国外退去を通告
[モスクワ/ベルリン 27日 ロイター] - ロシア政府は27日、ドイツの公共放送ARD系列のドイツ人の記者1人とカメラマン1人に国外退去を通告したと発表した。ドイツ政府がロシアの政府系テレビ「第1チャンネル」の記者2人のドイツ国内での活動を禁止したことに対する対抗措置。ただドイツ政府は第1チャンネルの記者が締め出されたとするロシアの主張を否定した。 ARDに加盟し、ロシアで取材を行っている西部ドイツ放送(WDR)は、ロシア政府の決定を「極端な手段」と批判。モスクワからの情報発信は過去3年近く脅しや制限を受けていると訴えた。モスクワでの取材活動をどのように継続するかは検討中だとした。 第1チャンネルはベルリン支局がドイツ政府によって閉鎖され、安全保障上の理由からロシア人ジャーナリスト2人がドイツからの国外対処を命じられたと報道。ロシア外務省の報道官は、ドイツ人記者に国外退去を通告したのはドイツ政府の動きに対する報復だとした。ただ、ドイツが第1チャンネルのロシア人記者にドイツ国内で 「通常の仕事」ができる条件を提供するならば、ドイツ人記者の新たな受け入れを検討するとも述べた。 一方、ドイツ外務省の報道官は、第1チャンネルのベルリン支局閉鎖を否定し、ロシア人記者の退去は滞在法に関係したものだったと説明。「ロシア人ジャーナリストはドイツ国内で自由に報道活動が可能だ」とした。