昨シーズン後、誓い合った「来年はお互い万全の状態で戦おう」 1年時から試合を任されてきたエースQB同士、いざ対決へ
前キャプテンから須田に届いたメッセージ
須田も今シーズン2度目の大一番を前に、こう言っている。「僕が目立たなくてもいい。レシーバーには溝口もいますし、岡本もいる。ランニングバックには阪下もいる。頼れる仲間がいっぱいいるので、自分はしっかり彼らを信じて思いっきり腕を振り続けるだけだと思ってます。勝てればそれでいい」。星野に対しては「関学のQBなので、全国のQB全員から注目されてると思います。僕よりも年下で勝つことがマストのチームに入って堂々とプレーできているのを見ていると、ほんとにすごいなと。リスペクトの気持ちはあります」と話す。 関大が秋のリーグ戦で立命館にも関学にも勝ったのは、61年ぶりに甲子園ボウルに出た2009年が最後だ。今シーズンは第2節で近畿大学に足をすくわれ、須田も負傷。キャプテンは2試合休んで立命館との戦いに臨み、チーム一体となって下馬評を覆す勝利をつかんだ。その試合後、昨年のキャプテンだった横山智明さんからメッセージを受け取った。「立命と関学両方に勝った代のキャプテンになれ!!」。須田は言う。「そのときまで全然意識してなかったんですけど、今度勝ったらそういうことになるので、そうなれたらいいなと思いつつ、目の前の一戦に集中というか、その中でも1プレー、1プレーに腹をくくって、覚悟を決めて腕を振り抜くだけやと思うんで、やるべきことを地に足つけてやりたいと思います」
心も体も強くなって帰ってきた星野
星野はこの春、秋と試合に出られない間、同じQBで弟の太吾(だいご、1年、足立学園)を育てることに注力した。一方で大村和輝監督に言われて大学の近くの甲山(かぶとやま)を駆け上がり、心と足腰を鍛えてきた。「弟を育てるのはすごくいい経験で、弟の反省も自分に生かしました。山は走り始めて20分から30分で上のお寺に着くんです。一人なんでサボろうと思ったらいくらでもサボれたけど、グラウンドで練習してる仲間に迷惑をかけてると思ったらサボれなかった。走ることで、無でいられるようになりました」。スクワットの数値も上がった。心も体も強くなって、星野は帰ってきた。 さあ決戦だ。須田と星野は信頼する仲間たちとつくってきたオフェンスで、戦い抜く。
篠原大輔