ニッポン放送・洗川アナが見たここまでの“新外国人野手” 今後の新助っ人補強には「ネックになるのは…」
◆ いつでもみんなのプロ野球!実況アナルーム6月のテーマは“ペナントレース中間報告 「私が取材、中継した範囲で。外国人野手に絞ってお話ししたいと思います」。 ニッポン放送・洗川雄司アナウンサーは、ここまでの外国人野手について語ってくれた。まず洗川アナが注目したのは巨人。メジャー通算178本塁打を放ち今季中軸として期待されたオドーアが開幕前に電撃退団し、5月10日ヘルナンデス外野手を新たに途中加入した。 洗川アナは「ヘルナンデス選手は、5月28日のソフトバンクの有原投手からいきなり初打席初安打、翌日私が中継を担当したゲームでも津森投手から2試合連続安打を放ちました。この日のショウアップナイター解説者の谷繁元信さんに伺ったんですけど、“前に出されるようなバッターではなくて、ある程度選球眼があるんじゃないかなという気がする”、加えて“スイングも強くて捉えた時には良い打ち方をすると感じた”とおっしゃっていました。中距離ヒッタータイプであると考えると、打線のつながりを重視して得点を生み出したいジャイアンツで重宝される存在になるんじゃないかなと予想しています。注目ですね」と分析した。 ◆ 外国人野手不在の広島 広島は新外国人野手に頼らず、日本人選手中心の打線で戦っている。 洗川アナは開幕直後に新外国人のレイノルズ、シャイナーが故障で離脱したことで、「プランの変更が余儀なくされた新井監督だったんですけど、そこからサードに回した小園海斗選手が4番で活躍して、5月は月間8度の決勝打を放っている。空いたショートに入った矢野雅哉選手は守備を含めて、攻守にわたる活躍ですよね。チームの助っ人が不在になった事情があるにせよ、我慢しながらプランを変更していった新井監督の策が実っている現状かなと思います。球団によっては事情が違いますので、それぞれのやり方で勝利にアプローチしているのが見えているのは面白いですね」と話した。 ◆ 1年目から活躍する外国人野手が減少傾向 かつてはアレックス・カブレラ、タイロン・ウッズ、トニ・ブランコ、マット・マートンなど来日1年目から活躍した外国人野手がいた一方で、近年は1年目から活躍する外国人選手が減っている。 洗川アナは「この辺りは全てを取材できているわけではないので難しいんですけど」と前置きした上で、「例えばオープン戦の成績が悪くてもシーズンに入って打ち出す選手もいたります。巨人・ヘルナンデスについての谷繁さんのコメントから、1つヒントとして考えられるのは、日本人が投げてくる変化球に崩されないことなのかなと。プロの方々が見ている目線を伺ってみるとそう感じますね」と話した。 ◆ 気になるシーズン途中の外国人補強 この先リーグ優勝、CS進出に向けて、トレードや新外国人補強で上位進出を狙ってくるチームが出てくることも十分に考えられる。 「その時にネックになるのは円安です4月29日にドル円相場は1990年以来34年ぶりに1ドル160円をつけました。2020年の12月、円は1ドル104円台だったんですよね。3年4ヶ月でおよそ56円も円安が進んでいることになります。例えば年俸100万ドルの選手がいたとしましょう。2020年12月の相場だと日本円で104円ですから、1億400万円。これが今年4月29日時点の160円で計算すると1億6000万円になり、5400万円も差が出てくる。これ大変なことなんですよ。欲しい選手がいても、円に換算するとシーズン途中に取れないケースも出てくるでしょう」。 「それから去年3月にアメリカのマイナーでは労使協定が結ばれて、マイナー選手の最低年俸が2倍以上引き上げられるということがありました。マイナーリーグの選手たちの待遇が改善されたのです。そうすると、マイナーリーグに居続けるか、日本で新天地を求めてやってくるか、天秤にかけた時にさあどうだろうか、途中加入でアメリカ球界から有望な野手、助っ人を呼ぶというのが結構難しくなってくるかもしれませんね」。 洗川アナは「これから夏場に向けて、このままの戦力でいくのか、少し改造しながらいくのか、なんとか違う選手を取り入れながらやっていくのか各球団の動向が注目されますね」と自身の見解を述べた。“外国人選手”の補強を含めて、移籍市場が今後どういう動いていくか目が離せない。 ▼ リスナーに向けてメッセージ 「今年はとにかくつぶさに実況中心に考えながらやっていますので、その中でゲームの中で勝負所になりそうなところを一生懸命解説の方に伺いながら、どこが今日のゲームの勝負のポイントになっていくのかというのをぜひリスナーの方と一緒に楽しみながらお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いいたします」 (ニッポン放送ショウアップナイター)
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