「恐ろしさを感じた」藤井聡太王位が描いたビクトリーロード 勝因は“絶大な信頼”?ファンも驚がく「信頼の投了」「かっこいい」
将棋の藤井聡太王位(竜王、名人、王座、棋王、王将、棋聖、22)に渡辺明九段(40)が挑む伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦七番勝負第5局が8月27・28の両日、兵庫県神戸市の「中の坊瑞苑」で指され、藤井王位が97手で勝ちシリーズ4勝1敗で防衛を決めた。本局の解説を務めた田村康介七段(48)は「藤井王位の恐ろしさを感じた」と一局を総括。勝負は最後までわからなかったものの、若き絶対王者への“絶大な信頼”がシリーズを決着に導いたと語った。 【映像】実際の投了図 決着局となった第5局は、後手の渡辺九段が雁木を志向。先手の藤井王位が急戦から動き、渡辺九段も負けじと角を手放し難しい中盤戦へと突入した。渡辺九段の攻め、藤井王位の受けの構図となった対局2日目は、繊細なかけ引きの中で角を取り歩を打つ踏み込み見せた藤井王位がペースを掌握。ねじり合いの中から後手陣攻略のポイントを着実に積み重ねていった。終盤戦では渡辺九段が一時挽回したものの、端角から鉄壁の守りを築いた藤井王位が冷静に寄せ切り勝利を飾った。 最終盤では明らかに苦しい表情を見せ、頭を垂れる様子み見られた渡辺九段だったが、藤井王位の97手目の桂打ちを見て投了を告げることに。ABEMAの中継で大盤解説を担当した田村七段は「最後の投了図は21手詰の詰めろだった」とした上で、「渡辺さんが桂馬を打っていれば詰ますしかなくなるので、難しいところもあったと思う」と言及。しかし、「渡辺九段は藤井王位の力を認めているので、そういう手を指さずに首を差し出した」と解説。挑戦者の心理を加味した上で、「藤井王位の恐ろしさを感じた」クライマックスだったと印象を語った。 言葉は多くなくとも本質を突く田村七段の解説に、ファンは改めて藤井王位の底力と勝負の恐ろしさ実感。「おそろしや」「信用ってやつか」「そうなのか…」「おっそろしいねえ」「すごいねーー」「信頼の投了や」「それがわかる親方も凄いわけだが」「かっこいい」「恐ろしいくて可愛い」「そんな罠があつたのか 恐ろしや」「どこで投了するかを決めるのは敗者の権利」「恐ろしさ言いえてるよね」「そこまでの疲労が半端ないんだろうな」と多くのコメントが寄せられていた。 この防衛により、王位5連覇を達成し『永世称号』の栄誉を獲得した藤井王位。防衛達成後に行われた会見では「(本シリーズで)中盤の形勢判断でいろいろ課題も見つかった。その辺りを意識し、長い目で見た時に着実に実力を伸ばせたと思えるように取り組んでいきたい」と語り、今後を見据える。 次なる戦いは1週間後に開幕する王座戦五番勝負だ。「気持ちを切り替えて。(挑戦者となる)永瀬拓矢九段は序中盤の研究が深いイメージがあるので、まずはそこで遅れを取らないことが求められると思う。その上で中盤以降も一生懸命考えて、良い手が指せるように頑張りたい」と新たな舞台に照準を合わせていた。 (ABEMA/将棋チャンネルより)
ABEMA TIMES編集部