【#みんなのギモン】「嫌な顔された」「舌打ちされた」 なぜエスカレーターは歩いちゃいけない? これだけの理由
■なぜ“歩行”はダメ? 協会「加害者になるケースも」
なぜエスカレーターは歩いてはいけないのか?水野准教授に聞くと、危険性だけではない理由がみえてきました。 筑波大学・水野智美准教授 「交通弱者など、例えば、左手が不自由な方は、右側に立って手すりにつかまりたい人がいます。また、子どもと手をつないで横に並んで乗りたいけれど、歩く人がいるために並んで乗れないなどの問題もあります」 横に並んで乗れないと、親が小さな子どもと手をつないで乗れないため、危険だといいます。日本エレベーター協会も、“保護者”が接触された際、幼児を守れない可能性があると指摘。 さらに… 日本エレベーター協会 「高齢者の場合、若年者よりも反射運動力や筋力等が低下している可能性があります。歩行者と接触した場合、手すりを握ることや、バランスを保つことが出来ず、転倒などのリスクが高くなると思われます」 協会は年齢や性別を問わず、誰もが転倒するリスクがあるといいます。 「エスカレーターは、歩く人が後方から接近してくるため、無防備の状態ですので、とっさの反応が出来ずに転倒する危険性があります」 また、“歩行”することで、突然“加害者”になるケースもありえるといいます。 「接触した際に持っていた手荷物が落下し、前後の人にぶつかるという2次・3次災害に拡大する可能性もあります。その場合、歩行者側が加害者と認定され賠償責任が発生するリスクも認識する必要があります」
■8割が「反対側に立って乗りにくい」“ 片側空け”で右側にスペースが
協会の調べによりますと、2018年1月から 2019年12月までにおきたエスカレーターの事故で最も多いのは「階段上」の転倒が最も多く、608件。転倒するリスクはデータからも裏付けされています。(出典:日本エレベーター協会「エスカレーターにおける利用者災害の調査報告」より) また、アンケートでは、「歩くのをやめた方がいい」と答えた人は約9割いる一方で、「エスカレーターを歩行してしまう」と答えた人は約6割いるといいます。さらに、「エスカレーターの片側だけ長い列になっているときがあるが、反対側に立ち止まって乗りにくい」と答えた人は約8割という結果でした。(出典:「エレベーターの日 安全利用キャンペーン アンケートの集計結果について 2022年度」より)