明石商 地域支え、支えられ 左義長やぐら作り /兵庫
<センバツ2020> センバツに向けて厳しい練習に励む明石商野球部が、応援してくれる地域住民へ恩返ししようと、毎年続けている活動がある。清掃活動や伝統行事への参加だ。1月半ばには、学校近くの公園で開かれた火祭り行事「左義長(さぎちょう)」の巨大やぐら作りを1年生31人が担い、住民から感謝された。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 清掃活動は、狭間善徳監督が着任したころから10年以上も続いている。毎年12月に近くの明石清水高や魚住東中と協力し、JR魚住駅周辺などでの「クリーンアップ作戦」に取り組む。狭間監督は「地域の方々にはお世話になっており、何か力になりたかった」と語る。 3年前からは、無病息災と五穀豊穣(ほうじょう)を願ってやぐらを燃やす小正月(1月15日)前後の行事「左義長」にも参加している。「錦ケ丘校区まちづくり協議会」の事務局長、富田由美子さん(58)は「地域が高齢化し、やぐらを組むための重い竹を運ぶ担い手が少ない。野球部に協力をお願いすると、快く引き受けてくれた」と振り返る。 今年は1月11、12日に準備と祭りの本番があり、部員らは近くのやぶから竹を切り出し、高さ約10メートルのやぐらを組んだ。富田さんは「皆が『何か手伝うことはないですか?』と積極的に質問してくれた。とても協力的で感動した」と語る。 参加した久保陽太郎投手(1年)は「地域の人と触れ合う機会はこれまでなかった。子どもやおじいちゃん、おばあちゃんと話せて楽しかった」。羽場仁一郎投手(1年)は「来年も手伝いたい」と笑顔だった。【韓光勲】 〔神戸版〕