パリ五輪自転車・窪木選手 食と心の支え糧に活躍誓う 三島「茶房 広」店員や常連客が壮行会
パリ五輪自転車競技トラック種目に内定した窪木一茂選手(35)には、世界への挑戦を食と心の両面から支えてくれた場所がある。三島市に拠点を移した2018年から行きつけの喫茶店「茶房 広」(同市長伏)。29日には店員や常連客らによる壮行会が開かれ、窪木選手は「必ずメダルを持ち帰り、またお祝いしてほしい」と気持ちを新たにした。 世界で戦う体づくりに食事は欠かせない。所属するチームブリヂストンサイクリングのクラブハウス付近で飲食店を探していたところ、引っ越しから2カ月後に同店と出合った。毎回頼む日替わり定食はおいしく、地元のものを使った野菜中心の和食で最適だった。足りない栄養素を補う食材を持ち込む「わがまま」も快く受け入れてもらった。管理栄養士の妻絵里さんもバランスの良さに太鼓判を押す。 地元の常連客とも、いつしか意気投合。三島に来てから結婚して子どもも授かり、家族ぐるみで付き合う仲になった。市内の情報提供や子育ての助言も受け「チームで一番、三島に根付かせてもらっている」と胸を張る。コーヒーを飲みながらの雑談も大切な時間。競技から離れ、心を落ち着かせる場所になった。オーナーの古瀬広子さんは「みんなに話しかけてくれる気さくな青年」と話す。 壮行会には古瀬さんや常連客ら10人以上が駆け付け、メッセージ入りの日の丸を受け取った。「こんなに温かくお祝いしてくれてうれしい」。地元で支えてくれた人の思いを糧に、リオデジャネイロ五輪に続く2度目の晴れ舞台に向かう。
静岡新聞社