プライベートクレジットのリターンがPE上回る局面、終了に近づく
(ブルームバーグ): ダイレクトレンダー(直接融資業者)のリターンは、4-6月(第2四半期)にプライベートエクイティー(PE、未公開株)ファンドを上回った。ステート・ストリート集計のデータで分かった。ただ、今後は中央銀行の金融緩和によって、ダイレクトレンダーの優位性が損なわれる見通しだ。
ステート・ストリートのプロダクトインプリメンテーション・オルタナティブ投資調査責任者ナン・チャン氏は、米金融当局の利下げ開始を受け、プライベートデットのパフォーマンス優位が反転し始めると予想。「プライベートデット、特に変動金利のデットは通常、金利上昇の恩恵を受けるからだ」と指摘した。
信用状況が緩和されれば、PEファンドはディールを実施する能力を取り戻し始める見通しだ。また、信用コストが低下すれば、多くのポートフォリオ企業への圧力も和らぐことが見込まれる。
プライベートクレジットのパフォーマンスは、過去10四半期のうち7四半期でバイアウト(企業買収)ファンドを上回っている。ステート・ストリートPE指数によると、プライベートデットファンドのリターンが4-6月期に2.18%だったのに対し、バイアウトファンドは1.47%にとどまった。
原題:Era of Private Credit Returns Beating PE Is Nearing an End (1)(抜粋)
--取材協力:Ben Scent、Bella Farr.
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Kat Hidalgo, Swetha Gopinath