笹生優花が自ら受付に立つ“手弁当”のレッスン会開催 父・正和氏が日本のジュニア大会で「ひどくショックを受けた」こととは?
母は娘がかわいそうに思えて「もうやめて」と何度も
「YUKA MEET & GREET」は、今年が4回目の開催だった。2022年12月に飯能GCで第1回が開かれ、第2回と第3回は静ヒルズCC(茨城県常陸大宮市)で開催。そして今年、再び飯能GCに戻ってきた。
その合間に国内で1度、そして今年11月には米テキサス州ヒューストンでもジュニアイベントを開いたため、笹生のジュニアイベントとしては、通算6度目の開催となった。 笹生がまだ幼かったころ、以前から交流があった飯能GC所属の鈴木寛プロから「飯能のロゴをパンツの後ろポケットに付けてプレーしてくれるなら飯能で練習してもいいと言っていただいて、大変お世話になった。だから、このジュニアイベントは飯能で開きたいと思いました」とは、父・正和氏の言。 「日本のジュニアの大会で、親が子どもを激しく叱りつけたり、親に怒られたくない一心で子どもがズルをする姿を見て、ひどくショックを受けました。ゴルフは楽しむことが第一。親は子どもにゴルフを楽しませてほしい」 そんな父・正和氏の言葉を聞くと、「そう言っているお父さんも、かつて娘を厳しく鍛えたではありませんか?」と首を傾げる方々も少なくないのではないだろうか。 かつて父・正和氏が笹生の足首に錘(おもり)を付けて走らせた下半身強化のための超ハードなトレーニング風景が、笹生が2021年に全米女子オープンを初制覇した直後にメディアで紹介され、大きな反響を呼んだ。 「あれは優花が13歳のころに世界ジュニアや全米ガールズジュニアに出て、年上の有名ジュニアに飛距離で置いていかれて、もっと強くしてほしい、飛距離を伸ばしてほしいと泣きながら言ったから、やったんですよ」 父・正和氏が「つらくなるぞ。それでもいいのか」と念を押すと、笹生は「いい」と答えたそうだ。しかし、父親には娘から嫌われたくないという複雑な想いもあり、「『指導しているときは父親と娘は思いません。でも、どんなに厳しく指導されても絶対にお父さんを嫌いになりません』と記した誓約書を作り、優花にサインさせたんです」と、苦笑しながら明かしてくれた。 当時、母・フリッツィーさんは娘がかわいそうに思えて、「もうやめて」と何度も言ったそうだが、そのたびに父・正和氏は「娘が夢を追いかけるのを母親が邪魔するのかって言い返していました」。母・フリッツィーさんも「ずいぶん喧嘩しました」と懐かしそうに振り返っていた。 しかし、そんなハードトレーニングのそもそもの発端が笹生本人の自主性、自発性にあったこと、そして一方的に厳しく指導するのではなく、父と娘の双方が想いを共有し続けていたことは、傍目には超ハードに見えたトレーニングを、楽しくスリリングなゲームに変えていたのだろう。 「1年後の大会で、優花は以前はかなわなかった年上の選手たちに飛距離で勝ち、『仇を打った』と言って大喜びしました」