子どもが欲しい妻に、夫が放った“最低なひと言”。妻は夫以外の子を妊娠し「あなたの子よ」と宣言した|ドラマ『わたしの宝物』
泣くポイントが同じ人とは、一緒にならないほうがいい
美羽と夫は、もともととても仲がよかったことがよくわかる回想シーンがあった。美羽が泣くと夫も泣く。よく泣くカップルだったという。そこでふと思い出した。 「笑いのポイントが一致する人とはうまくいくが、泣くポイントが同じ人とは一緒にならないほうがいい」ということを。 泣くポイントが同じだったり、相手が泣くともらい泣きしてしまうような人だったりすると、お互いのネガティブな感情に引きずられやすいからだ。片方が落ち込んでいたら、一緒に落ち込むことになる。長く一緒にいられるのは、適度な距離感をもち、落ち込んでいたら自然と気持ちが浮上するような気遣いができる人なのではないだろうか。美羽にとって、本来は冬月こそがそういう相手だったはず。 ただ、中学時代、「また会えると思っていた夏野が突然、いなくなった」と冬月が回顧しているので、宏樹同様、美羽にも払拭しきれないトラウマがあるのかもしれない。 過去がだんだん見えてくると、今の顛末(てんまつ)になるのは仕方がなかったとわかってくることになりそうだ。
田中圭の「あまりに自然なモラハラ夫」が不気味
それにしても、田中圭の「あまりに自然なモラハラ夫」が不気味だ。外で「いい人」を演じるあまりに妻にイライラをぶつける夫は少なくないと見聞きするが、彼のモラハラっぷりが、イライラをぶつけるという類いのものではなく、「いちばん近い他人である妻には、自分の負の感情をどれだけ見せてもいいと思い込んでいる人」にしか見えないのがすごい。 今後、3人3様の苦悩と葛藤が展開されていくのだろう。結末はどうなるのか。最終回まで話題になりそうで楽しみである。 <文/亀山早苗> 【亀山早苗】 フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
女子SPA!