トランプ次期大統領の量刑言い渡し、延期要請を州地裁が却下　「口止め料」裁判

ドナルド・トランプ次期米大統領が元不倫相手への口止め料支払いを隠すため業務記録を偽造したとして重罪34件について有罪評決を受けている裁判で、ニューヨーク州地裁は6日、量刑の言い渡しを今月10日以降に延期はしないと決定した。トランプ氏は、裁判の手続きを停止するよう求めていた。 ニューヨーク州地裁のホアン・マーシャン判事は、量刑の言い渡しに反対するトランプ氏の主張は「ほとんどの部分において、過去に何度も提起してきた主張の繰り返し」だとした。 そして、「2025年1月10日に予定されている量刑言い渡しを含め、手続きの停止を求める被告の申し立てをここに却下する」と決定した。 トランプ氏の弁護団は裁判所に提出した書面で、「政治的動機に基づくこの訴追は最初から欠陥があり、その棄却を求める」と主張していた。弁護団は今回の決定を不服として、州高裁に審理を求める。 トランプ氏は昨年5月、有罪評決を受けた。性的関係のあったポルノ映画スター、ストーミー・ダニエルズ氏に13万ドルを支払い、それを隠ぺいするために事業記録を改ざんしたと、陪審が認めた。米大統領経験者が有罪とされたのは初めてだった。 量刑は当初、昨年11月26日に言い渡される予定だった。だが、同月5日にあった大統領選の結果を受けて延期された。 今月3日になってマーシャン判事は、20日のトランプ氏の大統領就任前の10日に、量刑を言い渡すとの決定を出した。ただ、禁錮刑も保護観察も罰金も科すつもりはなく、「条件を伴わない刑罰の放免」を言い渡すつもりだと明らかにした。 量刑言い渡しには、本人が直接もしくはオンラインでの出廷するよう指示した。 トランプ氏のチームは、本人が10日に法廷に現れるのかについて、公にはコメントしていない。 しかし、マンハッタン地検は6日、「被告が直接ではなく、オンラインで出廷することを決定した」と言及した。 トランプ氏は裁判で無罪を主張し、不正行為を否定してきた。弁護団は、今回の決定について州高裁に異議を申し立てたことで、刑事裁判の手続きは停止されるはずだと述べた。 トランプ氏のスティーヴン・チャン広報担当は、そもそも起訴が違法だという主張を繰り返した。そして、「米国民はトランプ大統領を圧倒的に支持して選んだ。国民はその信任を通じて、司法制度の政治的武器化と今も続く魔女狩りのすべてを、直ちに終わらせるよう要求している」とした。 （英語記事　Judge denies Trump bid to delay sentencing in hush money case）