中国1年国債利回り、0.85%と03年以来の低水準-安全資産に買い殺到
(ブルームバーグ): 中国の1年債利回りが20日の取引で一段と低下し、世界的な金融危機以来となる1%割れとなった。トレーダーが追加緩和への期待を高めるとともに、安全資産に殺到した。
1年国債の利回りは17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し 0.85%と、2003年以来の低水準。10年債利回りは今月に入り初の2%割れとなっていた。
みずほ銀行のアジア外国為替担当チーフストラテジスト、張建泰氏(香港在勤)は1年債利回りの低下について、「緩和的な政策の中で中国人民銀行(中央銀行)が大幅な金融緩和を来年実施するという一般的な予想と、質の高い固定利付き資産の不足を反映している」と述べ、「こうした展開は米中金融政策の開きに対する懸念を強め、元安圧力を高める可能性がある」との見方を示した。
20日の本土市場で、人民元は1ドル=7.2970元とほぼ変わらず。19日は約1年ぶりの安値を付けていた。10年債の利回りは20日に4bp低下し1.71%。今週発表された公式データによると、中国では先月、証券投資のカテゴリーで過去最大の資本流出が記録された。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の邢兆鵬シニアストラテジストは、期間が短めの国債は豊富な流動性や中国人民銀行(中央銀行)による「短期債購入と長期債の一部売却」といった要因から恩恵を受けている可能性があると分析。
その上で、こうした価格形成は「極端に思える」との見方を示し、市中銀行が国債買い入れにしばしば用いる預金に対して支払う金利の約1.1%を下回る1年債利回りだと指摘した。
原題:China One-Year Yield Sinks to Lowest Since 2003 on Easing Bets(抜粋)
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