【高校サッカー選手権】悩める市立橘がクリーンシートで相洋を退け準々決勝へ
10月19日、第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選2次予選3回戦が行われ、K2リーグ所属の相洋と対戦したK1リーグ所属の橘が2-0で勝利し準々決勝進出を決めた。 【フォトギャラリー】相洋 vs 橘 このところのリーグ戦5試合では4敗1分と苦戦が続いている市立橘。「とにかく自信をなくしちゃっていたので、ホント勝てるのかなとか、自分がミスしたらどうしようかなとか(チームが)そんな感じになっていた」とは森谷周平監督。そんなチーム状況の中、「一旦それは忘れるじゃないですけど、選手権を選手権として切り替えて今週一週間準備してきました」(キャプテンのDF2森元寿)を中心に雰囲気を盛り上げこの一戦に臨んだ。 前半の立ち上がりは相洋のキャプテンMF10松澤昴琉を軸とした積極的な攻撃に攻め込まれる展開が続いたが、19分、ゴール前の混戦から出たこぼれ球を「最初の1本目は思いっきり振ろうって決めていた」(MF7鈴木聖成)が振り抜くが、これは惜しくもクロスバーに嫌われてしまう。 しかし、この1本を機に流れが市立橘に傾き出すと34分、右サイドからMF8田中龍之介がドリブルで持ち込み放ったシュートがポストに当たり逆サイドにこぼれると、これを鈴木(聖)が冷静にゴールに沈め、市立橘が先制する。 勢いに乗った市立橘は直後の36分にもゴール前の混戦からFW10 波壁航輝が落ち着いて浮かせてゴールに運び追加点。前半を2点のリードで折り返す。 予期せぬ形で2失点を喫した相洋だったが、ハーフタイムに「失点するまでは自分たちのペースでできていた。気にするな。お前たちは力がある。こういうゲームをしっかり勝ち切ってものにしよう」と綱島陽介監督に活を入れられ後半のピッチへ。45、46分とゴール前に迫る攻撃を見せると52分にはCKのこぼれ球をMF14半杭波瑠人がシュートに持ち込むもののGK12及川晴生に阻まれ反撃はならず。その後も諦めずにゴールに向かった相洋だったが、市立橘が最後まで堅守を崩すことなくクリーンシートで準々決勝進出を勝ち取った。 試合後、森谷監督は「選手たちが自信なくしていた中で、1週間すごく良い雰囲気で良い準備してくれた。相洋さんもすごくパワーがあるチームなので、それにまずしっかり耐えることと、少ないチャンスをものにできるようにしようと話していたことをよく集中してやってくれたと思います。自分たちが攻撃している時間が短い中で、ああいう一瞬のところをちゃんと意図がある突破をできた」と勝利を喜んだ。 続けて「今年トーナメントは8を外してなかったので、ここまで来れたということで、もう1個で橘の過去最高のベスト4なのでそこを乗り越えたい」と意気込みを見せた。 キャプテンの森は「1点目取った後の2点目の時間帯が良かった。橘は入りとか、切れたプレイの後とかが弱かったのですが、今日はDF陣が粘り強く守備して前線に良い形でボールをつなげたかなと思います」と試合を振り返ると「相手が相模って決まったらしいので、相模は関東やK1でも負けてる相手なので、絶対に勝ってやるって気持ちで11人全員で頑張っていきたいと思います。関東の仮りを返したいです」と意欲を示した。 先制ゴールの鈴木は「最初の方で責められていてキツかったんですが、そこでしっかり自分が点決められて良かったなってホッとしてます。」笑顔を見せると「次は勝ったことのない相模なんですけど、そこはもうしっかり全体で統一した勝つということを意識して、複数得点があげて勝ちたいと思います。自分は気負ってしまうと緊張しちゃうので、気を楽にしていきたいと思います。」意気込みを見せた。ダメ押しゴールの波壁は「自分たちが思うような試合という感じではなかったですが、前半で2点取れてちょっと楽になって、そのまま耐えられたので、とりあえず勝てて良かったです。1点取って、次の1点が大事なところですぐに自分で決めれたことで少し楽になったので本当に良かったかなと思います。」満足そうだった。そして「相模はリーグ戦も関東も負けてるんで、そこでリベンジして、絶対勝って、まずはニッパツ球技場でサッカーが出来るようになりたいですし、全国をめざせるようにまた練習して頑張りたいと思います。」先に目を向けた。 (文・写真=西山和広)