<戦後70年>食糧難で空襲の焼け野原を耕す……「昭和20年」の国民の生活は
都心部の日本橋でも農作業
また、展示された写真は戦争が終結する直前の昭和20年の生活を如実に物語ります。昭和20年の東京では深刻な食糧難に陥り、都心部の日本橋でも少しでも食糧を得ようとする人たちが多くいました。そうした人たちが、空襲で焼け野原になった土地を畑にしようと農作業に汗をかいている様子が写されています。
終戦2日前に届いた召集令状
終戦2日前の8月13日に届いた召集令状や海軍が昭和21年度の志願兵を募集していたポスターなども貴重な資料です。8月10日にはポツダム宣言を受諾することが決まっていたにも関わらず、終戦間際の8月13日に届いた召集令状からは戦争が終わろうとしているという印象が感じられません。苦しい生活はいつまで続くのか?といった不安が伝わってきます。 第3章では、360万部も発行された『日米会話手帳』や『食べられる野生直物菌類』といった書籍が展示されるなど、戦後の切迫感が伝わってきます。 今回の特別企画展は、戦地の様子を伝える展示物はありません。あくまで国民生活が主眼です。生活という日常から戦争を見つめ直すことで、平和を考える機会になるのではないでしょうか? 開館時間は、午前10時から午後5時半(入館時間は午後5時まで)。月曜日が休館日。入館料は一般が300円、高校・大学生が150円、小中学生は無料です。 (小川裕夫=フリーランスライター)