【特集】大雨で閉院したクリニック 新たな診療所で診察再開 地域医療を支え続けようと奮闘する医師に密着
渡邉院長は秋田県内でも数少ない頭痛専門医 診療再開を期待する患者の声が院長を後押しする…
閉院から10か月後、秋田市で頭痛に関する講演会が開かれました。 「ここ10年ちょっとなんですが、頭痛を予防するという考えが広がってきて、実際にできる薬が病院から処方できるようになってきています。」 頭痛の専門家として招かれた渡邉院長。 この日は頭痛の悩みや問題に応えていましたが、閉院後は医療の現場からも離れることを考えていました。 「お元気ですか」 「お久しぶりです」 「先生のお人柄でね、みなさんが病院を待ち望んでいたんです」 渡邉院長の背中を押したのは、再開を期待する患者の声でした。 渡邉院長は新たなクリニックを建てることを決意します。 「借金までしてやるのは頭おかしいのかなって思われるかもしれないけれども、頼られてというかですね、今までやってきてその経験を生かして、みんなの役に立ってくれと言われてやるのであれば悪い気もしないし」 新たなクリニックは、紹介先となる総合病院へのアクセスが良く、多くの患者を受け入れるための広い駐車場が確保できる、広面地区に構えることにしました。 建物はドラッグストアや100円ショップ、美容室が入る複合施設です。 渡邉院長の実績を評価した銀行や企業からの支援を受けて、新たなクリニックの建設が動き出しました。 診療のかなめとなるMRIは以前の約3倍の速さで検査を終えることができる最新型を導入しました。 さらに大雨対策として、去年7月と同じ規模の大雨にも耐えられる止水板を設置しました。 他にも医療機器の配線を天井に設置し、排水ポンプも導入しました。
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新しいクリニックは同じような大雨被害にあった場所に建設 そして…診療再開の日
そして迎えた開院日。 渡邉院長が1年ぶりに医師として戻ってきました。 クリニックには以前から通院していた患者が多く訪れました。 親しみを感じてもらおうと、マスコットのロボットやステンドグラスは前のクリニックから引き継いだものです。 患者の気持ちに寄り添い続けた日常の光景がようやく戻りました。 患「足が冷たいんです」 院「どっちの足」 患「右足が特に」 院「しびれは?」 患「しびれはあります」 院「詳しく見るんであればMRIなので」「MRI撮る気で来た?」 患「撮るつもりで来たんですけどもあまり混んでるんだったら」 院「大丈夫大丈夫(受付)2番目だから撮れます」 初診から早速予約を入れずにMRI検査を受けることができました。 「そっから出ている神経が、ここわかりやすいところ骨ずれてるでしょ。腰椎のすべり症っていう、骨がずれてて、それが原因で脊柱管が狭くなってる」「足のほうにいく神経の根元が圧迫されてしびれちゃってる。だから足が悪いんではないのよ。しびれるのはこっちだけども、悪いのはここ」 日常生活に支障が出ていた痛み、その原因がすぐにわかりました。