次世代CX-5に自社開発ストロングハイブリッド搭載ほか、マツダが第2四半期決算説明会で明らかにした近未来
EV専用プラットフォームはPHEVへの対応も可能に
また2027年に投入されるEVモデルについても補足があった。2022年の計画発表時にはEVに特化したプラットフォームを開発するとされていたが、新たにPHEVにも対応できるよう一部設計の見直しを行っている模様だ。 早々にEV一本足打法に切り替えた欧州メーカーが、現在のトレンドに対応できずに慌てている様子をみれば賢明な判断だといえる。もっとも、EVそのものは2027年の市場投入スケジュールに変更はない。同時に内燃機関を搭載したPHEVモデルがラインナップされる可能性も高まってきたということだ。
「SKYACTIV-Z」で効率のよい究極の内燃機関を実現へ
PHASE2で注目すべきは、電動化時代にあっても内燃機関の開発はやめないと宣言したことだ。ロータリーエンジン開発は強化され、さらには究極のガソリン燃焼エンジン「SKYACTIVE-Z」を2027年度中に投入する。 新エンジン「SKYACTIV-Z」は、通称ラムダワン(λ=1)燃焼と呼ばれる理論燃焼を実現し、低回転域から高回転域までスーパーリーンバーン燃焼を行う。日産自動車も次世代e-POWER向けにラムダワン開発を進めており世界最高レベルの熱効率50%を実現するようだが、おそらくマツダはそれに勝るとも劣らない熱効率を達成してくるだろう。 欧州ユーロ7、米国LEV4・Tier4など最新の環境基準に適合しており、まずは4気筒エンジンを市場投入、将来は6気筒エンジンにも要素技術を採用していくとのこと。これに前述のハイブリッドシステムを組み合わせれば、効率はさらに高められるだろう。 なお「SKYACTIV-Z」の市場投入と前後して、既存エンジンのラインナップ構成の見直しも行われる模様だ。「SKYACTIV-Z」は、現行モデルに搭載されるSKYACTIV-GやXの後継機であることも明らかにされ、2027年以降は4気筒、6気筒ともにエンジンのバリエーションは徐々に絞られるようだ。
国内、中国市場へのテコ入れが今後の成長のカギを握る
2025年初頭にはブランドショールームを東京・南青山に開設。今秋に国内発売がスタートしたCX-80ほか、マツダの新たなブランド発信拠点として都市圏マーケットの強化に乗り出す。また同年には長安汽車との共同開発第2弾となるEV/REEVのクロスオーバーSUVも中国に投入される。そしておそらく、同年度中には待望の次期CX-5が発表されるだろう。 なお、今回の決算には間に合わなかったが、北米市場での好調は10月に入っても持続しているようだ。10月単月で3万7307台(前年同月は2万504台)、累計では35万759台(同29万6121台)と劇的な増販ペースが続いている。けん引しているのCX-5、CX-50、CX-30だが、どのモデルもまんべんなく増えており、すでにマツダがブランドとして認知されていることを証明している。 この成長軌道を維持し、さらなる高い目標を達成するには、弱含みの国内、および中国市場のハンドリングにかかっているといえるだろう。世界中の自動車メーカーが悪戦苦闘するなか、小規模ながら独自の電動化路線を着実に進めているマツダの健闘に期待したい。