【ハイライト動画あり】積み重ねてきたもの出し切り、ブラックラムズが今季ベストゲーム。乱れたグリーンロケッツ沈黙
20分後(前半26分)にヴィリアミ・ルトゥア・アホフォノが代わりに投入されるまでグリーンロケッツは14人で戦い、それまでに17点を失った。 リードを許しただけでなく、相手のモメンタムをより大きくしたことが悔やまれる。 ハーフタイム時には0-31と大きく差をつけられた。
前半を思い通りの時間にしたブラックラムズは、後半も4トライを重ねた。 接点で勝ち、オフロードパスをつなぐ。前へ出てボールを散らすこともあれば、タテに切り裂くこともあった。防御側に「タックルしても、しても……」と言わせたのは、分厚く攻めた結果だった。
SO中楠は、「個々の力を引き出し、結束させたい」と宣言した通りのゲームコントロールをした。 PRパディー・ライアンら重いFWが常に前に出て、防御を押し下げた。CTB池田悠希の強さも際立ち、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたFBアイザック・ルーカスの走りはいつも通りだった。
描いていたプランを何も実行できなかったグリーンロケッツは、CTBに入ったレメキにボールを集めて勢いを出したかったが、圧力を受け、良い状況でパスを渡せなかった。 それでも個人技で突破する局面はあったが、流れを引き寄せることはできなかった。
入替戦初戦に21-40で敗れていたため、「0-19から始まる試合」との意識を強くしてキックオフを迎えた。 ウェイン・ピヴァック ヘッドコーチは、「だからこの試合は、最初からいいスタートを切らないといけなかった。そのためにもクリーンにプレーすべきなのに、規律を守れなかった」と出だしのつまずきを悔やんだ。
レッドカード以外にイエローカードも出て、13人になった時間帯もあった。 レメキ主将も、「みんなイライラして、自分が、自分が、となってうまくいかなくなった」と唇を噛んだ。
完璧な80分を過ごしたブラックラムズの松橋ゲームキャプテンは、ファンの大きな声援を受けて気持ち良さそうだった。 絶対に勝つ。無得点に抑えて勝つことも目指したいといっていたターゲットにも届いた。
「自分たちのプロセスから外れないことが大事だった」と話す言葉から、バラバラになってしまった相手との違いが伝わってきた。
田村一博