「ボールド アズ、君。」公開日決定、伊集院香織がミニシアターを大切にするギタリストに
伊集院香織(みるきーうぇい)が主演を務める映画「ボールド アズ、君。」の公開日が3月29日に決定。あわせてポスタービジュアルが解禁された。 【動画】映画「ボールドアズ、君。」特報(他1件) 本作はミニシアターを憩いの場所とするギタリスト・南條珠と、ライブハウスを居場所とするロックバンド・翳ラズのボーカル、瓶子結衣子が織り成す物語。それぞれが不器用にも懸命に生きる姿を映し出す。伊集院が珠、後藤まりこが結衣子を演じたほか、珠の居場所であるミニシアターの支配人で経営不振に悩む井澤雄一郎役で津田寛治が出演。刄田綴色(東京事変)、クリトリック・リス、スムルース、アシガルユースらもキャストに名を連ねた。 監督を務めたのは、「ディスコーズハイ」で知られる岡本崇。タイトルには彼が敬愛するギタリスト、ジミ・ヘンドリックスの楽曲「ボールド・アズ・ラヴ(愛のように大胆)」へのオマージュが込められている。本編にも出演している岡本は「ライブシーンを含めより映画館で観る、ということに強いこだわりを込めて制作しました。なので是非それを劇場で体感していただければ嬉しいです」と述べる。本作のロケ地となった大阪のミニシアター・第七藝術劇場の支配人である小坂誠のコメントは以下に掲載した。 「ボールド アズ、君。」は東京・K's cinemaほか全国で順次公開。 ■ 岡本崇 コメント 僕が今までダメになりそうになった時、幾度となく音楽や映画に救われてきました。作品の中のセリフだったり美しいメロディだったりインタビューの中の何気ない言葉に勝手に救われてきたんです。当然日常の中やリアルな人間関係にだってそれはあるんですが、どこまでいっても他人行儀でしかないテレビから流れる映画とか、パッケージされた商品や作品にだからこそ救われることってあると思うんです。少なくとも僕にとっては誰の言葉より響き、人生を変えてくれたのはジミー・ペイジのギターリフだったし、そういう体験をこの映画で少しでも表現できればと考えました。 僕にとって音楽だけが人生のすべてでした。でも映画を作り始めてから色々なミニシアターを巡るようになり、たくさんの人と出会う中で世界は広がっていったんです。ミニシアターは僕の主戦場だったライブハウスに似ていて、ちょっとマイナーなものを観るために色んな人が約束もなく集まります。そしてそこへいけば会える人たちがいる。ぼっちで楽しんでいる人もいる。楽しみ方は様々でも確かにその瞬間を共有している。そういう場所が好きだし必要なんです。発信する側としても受け取る側としても。だからそんな大切な場所を守ることができるような、そんな存在になりたいと今は思ってます。 伊集院香織さんに主演をお願いしたのはエレキギターを実際にかっこよく弾ける人が誰かを考えた時、1番に思い浮かべたのが彼女だったからです。演技経験の有無については全く知らなかったんですが、最後にライブシーンを持ってくることを想定していたし、主人公のキャラ像と実際の彼女のイメージも一致する部分が多かったのできっと大丈夫だろうと考えました。 後藤まりこさんは、この映画のプロットも何もない時から、次回作には彼女のライブシーンを絶対に入れたいとだけ考えていました。あとやっぱり僕の曲を後藤さんが歌っている!みたいな感動がありました。 津田寛治さんは福井駅前短編映画祭でお会いしたことが縁でオファーさせていただきました。受けていただけるかわからない段階から映画館の支配人役は津田さんをイメージしていたので念願叶いました。あとミュージシャンが多く出演する中、演技の面でピリッと締めてもらえたらという狙いもあったのですが、期待以上の効果があった様に思います。 刄田綴色さんは元々大好きなドラマーなのですが、まさか受けていただけるとは思いませんでした。翳ラズの楽曲ができた時、叩いて欲しいのは誰かと考えた時一番最初に思い浮かべたのが刄田さんだったのですが、とにかく情熱を込めて出演依頼の連絡をさせていただいたところ快諾いただき本当に驚きました。憧れの人とレコーディングやライブを共にできるなんて夢の様です。 スムルースは僕が大好きなバンドなんです。特にボーカルの徳田さんの書く曲は本当に素晴らしいのですが、劇中でも演奏される「美しい世界」の歌詞が本作のとあるシーンとすごくシンクロしていて是非使いたいと思いました。 アシガルユースは関西で活動するバンドなんですが、いいバンドなのでどんなキッカケであれもっともっといろんな人に知って欲しいという思いから、この映画に出演をお願いしました。 今回はライブシーンを含めより映画館で観る、ということに強いこだわりを込めて制作しました。なので是非それを劇場で体感していただければ嬉しいです。 ■ 小坂誠 コメント 前作「ディスコーズハイ」を当館で上映した際に、岡本崇監督の情熱と人を巻き込む力に圧倒され、今度はその面白そうな渦の中に巻き込まれてみようと撮影地としての協力を決めました。本作の映画館シーンは、第七藝術劇場にて深夜から早朝にかけて撮影されました。 津田寛治さん演じる映画館支配人「神様」は秘めたる情熱を心に抱えつつも、映画館の歩みとともに年を重ね、諦めてきたことも多いであろう、そんなたたずまいが印象的です。メジャー作品のみならずインディーズ作品にも数多く出演されている津田さんだからこそ特別な存在感があります。 本作は、何かを表現することだけでなく、その表現に心動かされ、救われ、人生を狂わせてしまうことを肯定してくれる作品です。「神様」の言葉を通して語られる一つ一つに、ミニシアターという場所への想いが詰まっています。そして、ロックミュージックが持つ熱気が映画館の空間を満たしていくとき、そこに新しい何かが確かに生まれていくのです! ぜひ映画館のスクリーンで目撃してください。 ©コココロ制作/Cinemago