【アルゼンチン共和国杯】トップハンデなんの!ハヤヤッコ激走V 最後方から大外一気で8歳白毛馬輝いた G1再挑戦も視野に
「アルゼンチン共和国杯・G2」(3日、東京) 真っ白な馬体が、東京競馬場に差し込む西日で輝いた。トップハンデの58・5キロを背負い、10番人気と低評価だった8歳の白毛馬ハヤヤッコが、直線最後方から大外一気の差し切り勝利で重賞3勝目を飾った。鞍上の吉田豊騎手(49)=美浦・フリー=は今年初の重賞勝利。2着に1番人気のクロミナンス、3着に6番人気のタイセイフェリークが入った。 直線、最後方から真っ白な馬が一番外からじりじりと伸びてきた。消耗戦の末脚比べで、ずっと脚を保ち続けたハヤヤッコがゴール前で見事に差し切った。トップハンデの58・5キロも何のその。10番人気の低評価を覆す快勝に、東京競馬場はどっと沸いた。 初騎乗で重賞Vに導いた吉田豊も、重賞勝利は昨年のサウジC(パンサラッサ)以来だった。JRA重賞勝利は同じくパンサラッサに騎乗した22年の中山記念以来。「本当にうれしいです。最後まで踏ん張ってくれて。馬に感謝です。切れるタイプではないと分かっていたのですが、一完歩ごと伸びてくれました」と、久々の美酒に汗をぬぐった。 ハヤヤッコ自身も22年の函館記念以来の勝利で重賞3勝目。調教では動かないのに、府中の4コーナーから目を覚ました。国枝師は「びっくりだよ。大した馬だね。すごいね」と激走に驚いた様子。ただ、気分が向いていたのは感じ取っていたようで「随分やる気だったんだよね。装鞍所から元気で」と復活を遂げた古豪をたたえた。 美浦ではトップハンデを課せられたことを嘆いていた師だが、結果が出ればG1も視野に入ってくる。「これなら、でかいところに行ってもいいんじゃないか?今度は58・5キロじゃないだろうし。気分良くしていけば、やるときゃやるんじないの」。8歳のベテラン白毛馬が、競馬ファンを驚かせる快進撃を再び見せてくれるかもしれない。