「尿の異常」の原因はご存じですか? 対処法や“注意したい腎臓の病気”も医師が解説!
「尿の色や泡立ちが気になる……」もしかしたら、尿の異常の裏には疾患が隠れているかもしれません。どのような疾患が考えられるのか、また、どのような診察や治療がおこなわれるのかなどを、「所沢いそのクリニック」の磯野先生に解説していただきました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
尿の色・臭い・泡立ちが気になる…尿の異常は腎臓や膀胱の病気のサイン? おしっこの異常に多い原因は?
編集部: 尿の色や臭いが気になるときがあります。どんな原因が考えられるのでしょうか? 磯野先生: 尿の色や臭いは、健康のバロメーターでもあります。食事の内容や水分摂取量、服用している薬、運動量でも変化しますが、もしかしたら腎臓や膀胱の疾患が隠れているのかもしれません。 編集部: 本来、どのような尿の状態が健康的なのですか? 磯野先生: 健康な人の尿は、淡黄色から淡黄褐色です。これは、尿中に含まれる「ウロビリン」という物質の色です。また、健康な人の尿はあまり臭くなく、軽いアンモニア臭がします。 編集部: では、色や臭いが気になる場合というのは、何か原因があるということですね。 磯野先生: はい。また、色や臭いだけでなく、泡立ちにも注目が必要です。そのほか、量がいつもより増えたり減ったりしているのも、疾患が隠れているサインかもしれません。
膀胱炎・タンパク尿・腎臓病・がんなど、尿の異常で気をつけたい病気を泌尿器科医が解説
編集部: 尿に異常がみられるとき、どんな病気が考えられるのですか? 磯野先生: 代表的なのは「膀胱炎」です。膀胱炎とは文字通り、膀胱に炎症が起きることです。膀胱炎を発症すると尿の色が白く濁ったり、強いアンモニア臭がしたり、排尿するときの違和感や痛みなどの症状が出たりします。 編集部: ほかにはどんな疾患が多いのですか? 磯野先生: タンパク尿もよくみられる症状です。通常よりも多くのタンパク質が尿中に排泄されたもののことを指します。タンパク尿が起きると尿が泡立つ、尿に細かい泡が立つなどの症状がみられることがあります。 編集部: そのほかには? 磯野先生: 赤色やピンクの尿が出たときには、尿が排泄されるまでの過程のどこかで出血が起きています。この場合には膀胱炎、尿管結石・腎臓結石、膀胱がん、前立腺炎などが考えられます。一方で、白く濁っている場合には、尿路感染症などの疑いがあります。 編集部: 様々な病気が考えられるのですね。 磯野先生: はい。その中でも、特に気をつけたいのはがんです。例えば、膀胱がん、尿管がん、前立腺がんでも血尿が出ることがあります。特に膀胱がんの場合、血尿は重要なサインなので、症状がみられたら早めに専門医を受診しましょう。