ニューイヤー駅伝 三菱重工7位 井上・定方・的野 30代トリオ力走
第69回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)は1日、前橋市の群馬県庁を発着点とする7区間100キロのコースに37チームが出場して行われ、長崎県の三菱重工は4時間51分48秒の7位でゴールし、5年連続入賞を果たした。旭化成が4時間47分32秒で5年ぶり26度目の優勝を飾った。 三菱重工は1区松倉が先頭と10秒差の11位で発進。2区山下で15位に後退したが、3区井上が区間4位の快走で9位に上がった。4区コリルで一つ順位を下げた後、5区定方が区間3位と力走して6位に浮上。6区的野も区間7位で続いて5位に押し上げると、アンカー吉岡も粘って7位でフィニッシュした。 優勝した旭化成は1区長嶋がトップでたすきリレー。2区で4位に後退したものの、3区から2位をキープし、アンカー井川が逆転して優勝回数を過去最多の26に伸ばした。ホンダは2年連続で2位、連覇を狙ったトヨタ自動車が3位に入った。 ◎ベテランが入賞けん引 ベテラン3人の力走がつないだ5年連続入賞だった。3区井上、5区定方、6区的野の30代トリオが区間1桁順位でまとめてけん引。6日に32歳になる井上は「チームとしては最低限の結果は残せたと思う」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。 「前半から前が見える位置でつなぐ」。この松村監督のプランは2区で崩れた。1区松倉は先頭と10秒差の11位でつないだが、最長のエース区間を任された山下が失速。思うように足が進まず、15位に後退した。 この重苦しい状況を、エースとして長年チームを支えてきた井上が打破した。「何とか入賞圏内に持っていきたい」。淡々とリズムを刻みながら、1人、また1人と抜き去り、9位に浮上した。2015年に加入して9回連続でエース区間を任されていたが、前回は初めて区間2桁の11位だった。「自分と向き合って、気持ちを奮い立たせながら1年間練習を積んできた」。奮起の走りで勢いをもたらした。 井上の1学年上の5区定方が続いた。10位でたすきを受けて順位を上げ、10キロ付近で6位集団を形成。強い向かい風の中でも「風よけにされようが、前に出て走りたかった」。最後は住友電工、花王との三つどもえを制した。6位でたすきを託されたスピードランナーの6区的野も順位を一つ上げ、入賞へ勢いをさらに加速させた。 17年の初入賞以来、9大会で8度目の入賞。厳しいレース展開の中でも意地と底力を見せた。ただ、いつまでもベテランに頼ってばかりではいけない。松村監督は「下から突き上げる力が必要。チーム内競争を高めないと今後は厳しくなってくる」と危機感を口にした。連続入賞、その先の頂点へ。さらなる成長を求める1年が始まる。