マクラーレン 720Sは、650Sの後継としてスーパーシリーズの最高峰に君臨した【スーパーカークロニクル/100】
マクラーレン 720S(McLAREN 720S:2017~2022)
1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、マクラーレン 720Sだ。 【写真はこちら】ボディサイドのエアインテークをなくし、複雑なディティールとしたのも、今までのマクラーレン車にはないものだ。可変式リアスポイラーも備える(全6枚)
マクラーレン 720Sはスーパーシリーズの650Sの後継モデルとして、あらゆる部分が刷新されて登場した。まずスタイリングでは、ディヘドラルドアこそ踏襲されているが、アルティメットシリーズのP1から継承されていたヘッドランプではなく、LEDのヘッドランプとウインカーなどを組み合わせた独創性を持たせたものになっている。 エクステリアでは、ボディサイドの大型エアインテークはなくなったが、エアロダイナミクスを駆使した新ボディ形状により、リアサイドウインドー後方の小ぶりなインテークから、エンジンやラジエターを冷却する方式を採用する。また、マクラーレン P1で初めて採用されたカーボンファイバー製のシャシは、ピラーからルーフまで一体構造の「モノケージII」へと進化した。これにより、車体剛性が向上しただけでなく、軽量化も実現している。さらにシート後方には210Lのラゲッジスペースを確保して利便性を向上している。 パワーユニットは新開発された4L V8ツインターボを搭載。最高出力は720ps、最大トルクは770Nmというパワースペックを発生する。公称のパフォーマンスは、最高速が341km/h、0→100km/h加速が2.9秒とされている。プロアクティブ シャシ コントロールやサスペンションも新世代のものとなり、電動油圧式のパワーステアリングとの統合制御を行うバリアブル ドリフト コントロールによって高度なドライビングのサポートも実現した。 インテリアも上質な本革とアルミニウム製のスイッチなどを採用し、豪華な雰囲気に仕立てられている。スポーツ走行などでは最小限の情報だけを表示できるように、格納式のユニークなメーターパネルも採用する。2019年にリトラクタブル ハードトップを採用した720Sスパイダーも追加設定された。パワースペックはそのままに、クーペより49kgの重量増に抑えられ、50km/h以下なら走行中でも約11秒で開閉が可能だ。
マクラーレン 720S 主要諸元
●全長×全幅×全高:4543×2059×1196mm ●ホイールベース:2670mm ●車両重量:1419kg ●エンジン種類:90度V8 DOHCツインターボ ●総排気量:3994cc ●最高出力:720ps/7500rpm ●最大トルク:770Nm/5500rpm ●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・72L ●トランスミッション:7速DCT ●駆動方式:縦置きミッドシップRWD ●タイヤサイズ:前245/35R19、後305/30R20
Webモーターマガジン
【関連記事】
- マクラーレン「GTS」を発表。マクラーレン GTの後継モデルとして、日常的な使いやすさと快適性も両立
- 英国の高級スピーカーブランド「バウワース&ウィルキンス」と「マクラーレン」がコラボしてワイヤレススピーカーを発売
- 「TUMI」と「マクラーレン」のコラボレーションから生まれた新次元のスーツケース、「エアロ 」ローリング・トランク &「エアロ」 エクステンデッド・トリップ・パッキング・ケース
- メルセデス・ベンツ SLRマクラーレンのデビュー20年を記念してさまざまな活動を展開。そのヒストリーを振り返る
- 【写真蔵】マクラーレン スーパーシリーズの最新モデル「750S」が日本初お披露目。軽量化を徹底的に追求