FIIO、スマホで駆動できる大口径平面磁界ドライバーヘッドフォン「FT1Pro」
エミライは、FIIOの平面磁界型ドライバー搭載の開放型ヘッドフォン「FT1Pro」を1月17日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は35,750円前後。 【この記事に関する別の画像を見る】 FIIOが自社開発した95×86mmの大口径平面磁界ドライバーを搭載する。振動板は2年におよぶ研究開発を重ねたもので、高性能PET素材を使った1μmの極薄設計となっており「類を見ない軽さを実現し、精細かつ遅延の少ない振動電波を可能にした」とのこと。 これにより、超高域における繊細な音の再現から、広域にわたる優れたダイナミックレンジまで、ハイクオリティサウンドを実現したという。 その振動板には、新開発のデュアルコーティング技術を投入。サファイアとアルミニウムをコーティングするニ層構造となっており、各周波数帯域における応答特性を高め、解像度を向上させ、平面磁界ドライバー本来の音質を引き出した。 第一層のアルミニウムコーティングは、その軽量性と導電性により、電気信号の伝達効率を高め、より少ない電力でダイナミックな音響性能を実現。第二層のサファイアコーティングは、その高硬度特性によりダイヤフラムの剛性を高め、高域の解像度を飛躍的に向上させた。 FIIOが新開発した均一磁場設計も採用した。従来は隣接する磁石の影響で不均一になりがちだった磁場を最適化し、その範囲を広げることにも成功。これにより、より広範で精密、かつバランスの取れた磁場を実現し、振動板をより正確に振動させることが可能となり、「音の歪みが大幅に低減され、平面磁界型ヘッドフォンの特徴である、音楽の繊細なニュアンスまでも正確に表現することを実現した」という。 大型の振動板を採用した平面磁界型ヘッドフォンながら、20Ωという低インピーダンス設計となっており、スマートフォンやポータブルプレーヤーでも余裕ある駆動を実現。高感度により、小さな入力信号でも充分な音量とダイナミクスを確保した。 再生周波数帯域は7Hz~40kHz、感度は112dB/1Vrms@1kHz。ハイレゾオーディオ機器認証も取得している。 ケーブルは着脱式で、一般的な3.5mm TSコネクターを左右に搭載。付属ケーブルは3.5mmステレオミニと4.4mmバランスの2本で、直径0.51mmの銀メッキ無酸素銅線392本による撚線を使用している。長さは1.5m。 重さは374gと軽量で、長時間の使用でも快適な装着性と優れた携帯性を両立。ヘッドバンドにはステンレス製レールとボールベアリングを組み合わせた調整機構を採用し、幅広い頭のサイズに対応する12段階の調整幅を確保、頭に触れる部分には通気性に優れたスエード素材を採用している。 また、FIIOのヘッドフォン「FTシリーズ」の設計も受け継いでおり、頭の形に合わせて3方向に動く機構も採用した。上下・左右・前後の動きが可能な設計で、さまざまな頭のサイズや形に柔軟に対応する。 イヤーパッドには通気性の優れた素材を使用。肌の触れる部分は特殊な織物素材を使った高密度メッシュ構造で、耳とクッションの間の熱がこもりにくい設計となっている。イヤーパッド側面はプロテインレザー(人工皮革)を使うことで上質な見た目と心地よい触り心地を両立したとのこと。 高級ブランド製バッグなどに使われる技術と素材を採用した専用の収納バッグのほか、3.5mm to 6.35mm変換アダプターなどが付属する。
AV Watch,酒井隆文