「24億円はイッペイが返さなければならない」...出所後の「水原一平容疑者」を待つ「底知れぬ借金地獄」
暴かれた巨額詐欺
捜査で浮かび上がってきたのは想像を絶する数字だった―― アメリカ司法省は11日、メジャーリーガー・大谷翔平選手(29)の通訳を務めていた水原一平容疑者(39)を銀行詐欺の容疑で訴追したと発表した。驚くべきは公表された金額だ。 【写真】笑顔が消えていた…イッペイの変わりゆく表情 「これまで水原容疑者が大谷氏の口座から不正に送金した額については約6億5000万円とされていましたが、捜査当局の調べでは1600万ドル(約24億5000万円)にのぼっていたことが判明。さらに衝撃だったのはベットした総額です。水原容疑者は少なくとも1万9000回以上の賭博を行っており、1日平均賭け金は1万2000ドル(184万円)。ブックメーカーにベットしたカネの合計は1億8290万ドル(278億円)で損失は62億円にも及んでいます」(在米ジャーナリスト) 盗みの手口も実に巧妙だ。水原容疑者は大谷選手の口座の紐づけを自身の携帯番号とメールアドレスに改ざん。いくら預金を使っても大谷選手に通知が届かないように工夫まで施されていた。 当局の捜査で全容が明らかにされた今回の巨額詐欺事件。今後、有罪が決まれば最大で禁固30年、罰金は100万ドル(1億5000万)のいずれか、もしくは両方が課される可能性もあると言われているが、量刑の他に水原容疑者に重くのしかかるのが24億にもなる被害金額の弁済だ。
「水原氏は返済しなければならない」
アメリカの法律事情に詳しい、東町法律事務所の村尾卓哉弁護士はその行方についてこう解説する。 「原則として水原容疑者が24億円を返済しなければいけません。アメリカの刑事裁判では刑罰とは別に被害者への弁償が命じられることもある。今回のケースでもそういった内容が下される可能性は大いにある」(以下、「」内は村尾弁護士) その金額ゆえ保険会社による保証も望みは薄いという。 「大谷選手が加入している家財保険で一定額カバーされる可能性はありますが、24億円を賄えるような保証があるかと言われれば難しい。そうなると水原氏自身に弁償する責任が生じます。結局のところ、お金に関しては大谷選手と水原容疑者の問題なんです」 ただし弁済義務を背負うのもあくまでも水原個人。親族などの口座が差し押さえられる可能性はないという。 「水原容疑者の家族が24億円という巨額のお金を支払う義務は発生しません。アメリカの場合、加害者の財産や収入を国が差し押さえて被害者に返却するシステムがあります。それも本人の口座のみで、妻や家族のものは対象にはなりません」