ビットコインはいつ上昇に転じ、強気相場はいつまで続くのか──半減期の影響と今後の価格推移は?【bitbank長谷川氏・ロング解説】
半減期前の最高値更新は初めて
──今回、半減期前の史上最高値更新は、ビットコインの歴史上初めてのことになりました。 半減期直前に、史上最高値を更新することは今まで一度もなかったことです。その影響で「これまでのマーケットサイクルは崩れるのではないか」「価格上昇の余地は前倒しになっているのではない」と、今後の価格推移を危惧する声も散見されます。しかし、前述したように、まだまだビットコインETFへの資金流入の伸びしろはあると考えています。 実際、ビットコインブロックチェーン上のデータを見ると、半減期の上昇相場のときは長期保有されているビットコインが、短期の投資目的で入ってくる人に売却される需給構造になっています。ですが、今はまだ短期保有のビットコインは増え始めたところ。まだ新しいお金が入ってくる余地があり、上昇スパンについてはこれまでどおりか、むしろビットコインETFが存在することで、長くなる可能性もあると考えています。 金融政策が一旦、緩和に傾くとある程度の期間はそれが続くので、1年間以上、ときに小休憩を挟みながら、上昇傾向が続くことは十分、考えられます。 ──第2四半期は休憩期間で、その後、アメリカで緩和が始まるとビットコインは上昇に向かうということですか。 金融政策は大きな鍵を握ります。半減期そのものは、これまでも上昇開始のタイミングにはなっていません。半減期を通過した後に、金融政策の影響がアメリカ市場に表れ、それに連れてビットコインも上昇するパターンになっています。 前回の半減期は、新型コロナウイルス感染拡大の年でした。コロナショックで価格が大幅に下落した後に、半減期への期待から反発して価格を戻していましたが、半減期を過ぎると動きがまったくなくなりました。今回の半減期もすでに織り込み済みで、ビットコインETFの承認後すぐにお金が流入してきたことも、半減期と利下げを見越した動きと見ることができます。 ──ETFの思わぬ効果はあったものの、基本的にはこれまでの半減期サイクルの動きが繰り返されるということでしょうか。 先ほど述べた、短期保有/長期保有のビットコインの推移を見ても、半減期ではなく、相場が史上最高値を更新するかどうかのタイミングで、長期保有のビットコインは減り、短期保有のビットコインが増えています。この動きはこれまでどおりで、少し前倒しになっているだけです。 長期保有のビットコインは全体の供給量から見ると、まだ70%ぐらいあります。まだ売りの余地があります。最近、取引所のビットコイン残高が大幅に減っていると言われていますが、取引所に入ってくるビットコインも増えています。つまり、長期保有していた人たちが売り始めています。これは、長期的な上昇トレンドの中で、これまでも起きている現象なので、価格推移のみならず需給構造からもこれまでどおりと言えます。