プロ4年目でリリーフとして覚醒!ロッテのセットアッパー・鈴木昭汰はアマチュア時代から理論派、そして度胸満点の左腕だった!【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.40』】
皆さん、こんにちは!! 『高校野球ドットコム』の河嶋です! 10月12日からプロ野球CSの1stステージが始まりました。パ・リーグではロッテが初戦勝利を収め、9回裏、ワンポイントとして抑えたのが、左腕の鈴木昭汰投手(常総学院)です。8回まで剛腕・佐々木朗希投手(大船渡)が無失点に抑えたあとに登場した鈴木投手は先頭で今季ブレイクの清宮幸太郎外野手(早稲田実)を三振に抑えました。今季は51試合登板で、防御率0.73、27ホールドとキャリアハイの活躍をみせた鈴木投手。プレミア12代表にも選出され、U-15代表以来の侍ジャパンのユニフォームを背負うことになります。 【動画】千葉ロッテ・鈴木 昭汰(常総学院-法政大)による変化球講座! 高校時代からの大舞台での強さ、大学時代にインタビューして、奥深い投手理論を聞いて、とてもワクワクさせられたので、その持ち味を発揮していることに感慨深いものがあります。当時の話や、アマチュア時代の活躍を振り返りながら、今後、期待したいことについて述べたいと思います。
高校時代は世代屈指の右腕、左腕に投げ勝つ勝負強さを見せる
鈴木投手は土浦霞ケ浦ボーイズ時代にU-15代表に選出されました。地元の強豪・常総学院に進学し、1年春からベンチ入り。関東大会出場をかけた準決勝の水戸工戦で先発マウンドに登りました。4回途中まで投げて、無失点の投球。すでに130キロ台中盤の速球を投げ込んでいて、スライダーの切れ味も素晴らしく、非常にコントロールの良い投手だったことを覚えています。鈴木投手は1年秋もエースとして活躍し、2年春のセンバツ出場に貢献し、1勝を挙げました。ここまでは順調でしたが、2年夏の茨城大会は4回戦敗退。春夏連続出場を逃し、チームとしても痛恨の負けでした。 鈴木投手は主将に就任し、マウンドでも気合の入った投球を見せるようになり、飄々と投げていた1年生と比べると一変します。鈴木投手の勝負強さが発揮されたのは2年秋の関東大会・横浜戦です。優勝候補同士の対決に市営大宮球場は満員でした。この試合は世代屈指の剛腕・藤平 尚真投手との投げ合いになり、鈴木投手は3点の援護をしっかりと守り、1失点完投勝利を収めました。速球は常時130キロ台中盤~後半ぐらいでしたが、中学時代に習得したシュート、スライダーを強気に内角に投げて内野ゴロや、フライに打ち取る投球が光りました。当時の試合について鈴木投手はこう振り返っています。 「あの試合は必死に投げていましたね。優勝候補ということもあって、対戦していて怖い打者ばかりでしたし、投げていて嫌でした。あの時はスライダーが切れて、勝てたと思います。横浜に勝ったことで、勢いに増したところがありますし、あの試合がすべてだったと思います」 準々決勝の日本航空戦でも1失点勝利で、2年連続のセンバツ出場を実現しました。そして夏も茨城大会を勝ち抜き、自身としては初めてとなる夏の甲子園出場になりました。3回戦では当時、世代NO.1左腕として評価が高かった寺島 成輝投手(元ヤクルト)擁する履正社との対戦になりました。打線も強力で、横浜を破っており、勢いに乗っていました。この試合では13安打を浴びながらも4失点完投勝利。アウト27個中、20個はゴロアウトという打たせて取る投球が光りました。鈴木投手は履正社戦の投球について、 「あの強力打線相手に何がよかったといえば、インコースをしっかりと攻めた結果がよかったと思いますし、しっかりと攻めることができました」 チームを甲子園ベスト8まで導き、全国区の左腕へ成長した鈴木投手ですが、まだ高卒プロにいく力がないと痛感し、法政大へ進学します。