地域を守りながら観光を楽しむ エシカルトラベルという 沖縄の新しい観光旅行へ
コロナの収束によって旅行需要が急速に回復する一方で、問題になっているのがオーバーツーリズム。交通機関や施設の混雑、騒音、マナー違反などにより、地域住民の生活や自然環境への影響が深刻化しています。 【画像】海洋プラスチックをアップサイクルしてアクセサリーに。 その対策として各地ではさまざまな取り組みが始まっていますが、国内でもいち早く観光客数が回復した沖縄県が実施するのが「エシカルトラベルオキナワ」。人や環境、社会にやさしい旅を提案し、持続可能な観光地を目指しています。
エシカルトラベルオキナワとは?
エシカルとは倫理的、道徳的といった意味の言葉で、人や環境、社会などに配慮した行動をしようという概念のこと。エシカルトラベルオキナワはこの概念を取り入れた観光の考え方で、沖縄県と沖縄観光コンベンションビューロー(以下、OCVB)によって2021年に開始。 これは沖縄の自然や伝統文化、産業に触れられる観光コンテンツを通して、観光客が地域や県民の思いをより深く知り、それにより住民の暮らしや自然環境などに配慮するきっかけとなることを目的とした、新しい旅のかたちです。 現在、沖縄県公式の観光情報WEBサイト「おきなわ物語」では、多数のコンテンツを特集中。自然や伝統文化、産業に触れられるさまざまなコンテンツがありますが、実際にどんな体験ができるのか、4つのコンテンツをピックアップしてご紹介します。
アクセサリー作りを楽しみながら海を守る
◆TRUE BLUE OKINAWA 海洋プラスチックアート作り体験 最初にご紹介するのは、古宇利島にあるアート工房&ショップ「TRUE BLUE OKINAWA」の海洋プラスチックアート作り体験。 海洋ごみをアップサイクルしたアート作品や生活雑貨等の制作・販売を行うこのお店では、海洋プラスチックを使ったアクセサリーやランプシェード作りを楽しめます。 お店のある古宇利島は、沖縄本島から橋を渡って行ける離島の一つ。古宇利ブルーと呼ばれる美しい海を眺めながら全長1,960メートルの「古宇利大橋」を渡り、車で2分ほど走るとお店に到着します。 美しく澄んだ沖縄の海。実は海底に多くのごみが沈んでいるといわれ、ビーチには日々ペットボトルを中心に大量のごみが打ち上げられるそう。 そのごみのほとんどは近隣諸国から流れてきたもので、海外で投げ捨てられたごみは海や風の流れに乗って日本の海岸まで漂流し、同様に日本のごみも海外へ流れ着いているのだとか。 ビーチに打ち上げられ、私たちの目に見える状態になった海洋ごみは氷山の一角。ほとんどの海洋ごみは海岸に着く前に海底に沈んでしまいます。 そのなかでも問題視されているのが、プラスチック。素材の性質上、数百年間分解されず、海の生物が誤って食べたり体に絡まったりして、怪我をする、あるいは命を落としてしまうという痛々しい出来事が世界中で起こっています。