安藤なつ「柔道の推薦を断り定時制高校へ」16歳で芸人目指すも30歳でコンビ解散…失意の中で現れた赤い男が人生変えた
安藤さん:周りからみたら大変そうって思われそうですが、そこまでハードとは感じていなかったです。ただお笑いを続けるためにバイトをするんだったら、好きなことをしようって考えて。ヘルパー2級を取ったときに働くようになった施設では、夜勤もしていました。 ── 芸人と介護職の両立はめずらしくはないのですか? 安藤さん:介護職って、昼間の時間が自由になるので実は芸人さんも多いんです。でも自分で二足のわらじっていう言葉は使ったことはなくて。同時進行でなにかをやることが苦ではなかったので。多分、大変だって感じるならその仕事は好きじゃないと思うし、続けられない。お笑いも介護も好きだから続いたんだと思います。
── お笑いと介護職を続けるために、意識したことなどはありますか? 安藤さん:伯父の施設から働いてくれないかと声を掛けられたタイミングで、「都内に出たいのでそれに見合うお給料をください」って交渉しました。芸能活動もしているので、急にオーディションが入ったら出勤できなくなるという条件を伝えたうえで契約しました。じつは当時、今着ている衣装を作ってくれたスタイリストの子と6年間ルームシェアをしてたんです。そんな感じで節約もしていました。
■30歳でまさかのコンビ解散「お笑いは引退しようと思った」 ── 芸人としての活動が軌道に乗り始めた30歳のときにコンビを解散することになり、非常に落ち込んだそうですね。カズレーザーさんと新たにコンビを組まなければ介護職メインで仕事をしていくお気持ちだったのでしょうか? 安藤さん:「30歳までに売れないと」という覚悟でやっていたので、カズと『メイプル超合金』を組むまでは、前のコンビでお笑いは最後にしようと思っていたんです。「もしダメだったら引退しよう」っていう思いが、いつも頭の中にあって。その当時の相方が「もうお笑いは無理」ってなったので、自分も引退することを考えました。そのときは、介護職をやっていこうとは決めていなかったけれど、心のどこかで“介護は続けたい”という思いはありましたね。