交渉相手の本音をダダ漏れさせる「たった2文字」の魔法の言葉
こうすることで、相手が価格以外の価値に目を向けるようになります。同時に、値上げするためには、追加の価値を提供しなければならないと感じるでしょう。 購買担当として、ただ単に、値上げを認めるのではなく、最大限の価値を相手から引き出す流れをつくったのです。 さらに、「仮にあなたが私の立場だったら、どうすればいいと思いますか?」という質問も効果的です。この質問は、相手にこちらの立場を想像させ、より具体的な提案や意見を引き出すのに役立ちます。 相手がこちらの立場で考えることで、彼らの本音や内心の考えが浮かび上がり、交渉がスムーズに進むことが期待できます。 「仮に」という言葉を使って交渉を進めることで、相手の本音を引き出し、交渉の幅を広げることができます。この方法をマスターすることで、あなたの交渉力は一段と向上するでしょう。ぜひ、実際の交渉で試してみてください。 POINT ・「仮に」を使って、新しい前提を相手に提案し、意見を聞くことは有効。 ・「仮に」を使った質問に対する回答から、相手の本音を読み取る。 ● 時と場所をずらして 交渉の前提を変えてみる 前項で、「仮に」を使って前提を変えることが有効だという話をしましたが、今回はさらに具体的に、時と場所をずらすことによる交渉の前提変更について説明します。 「時をずらす」例として、大リーガーの大谷選手が球団と契約したときの話を考えてみましょう。大谷選手の契約金は10年で1000億円を超えていますが、その支払額のほとんど(90数%)を10年後以降に受け取ることになっていると聞きます。 支払いのタイミングをずらすことで、球団にメリットを与えることができます。
支払いが後ろにずれることで、球団は手元に残った資金を他の選手の獲得や球団運営に使うことができるのです。単に総額を提示するだけでなく、支払いスケジュールをずらすことで、相手にとっても魅力的な提案になったと思われます。 次に、「場所をずらす」という概念について説明します。 これは、実際の交渉場所を変えるという意味もありますが、交渉の対象となる事柄を変えるという意味にもなります。 例えば、トラブル交渉などで相手と対立した場合、自分の主張や正当性を最も強くアピールできる1点に焦点を絞ることで、交渉を有利に進めることができます。 これは、どちらかに明らかに100%落ち度があるような場合ではなくて、どちらにも言い分があるようなトラブル交渉を前提としています。 こういう場合は、自分に有利な交渉材料を前面に出し、その切り口のみで相手に対抗し、一点突破でピンチを切り抜けるのです。 「まずは、この点について解決しましょう」と進めるのです。どこを一点突破するかの見極めが重要です。客観性があったり、社会通念上主張できそうなものがあれば、それを強調するのです。 ただし、相手を追い詰めすぎない余裕も必要です。一点突破はあくまでも作戦です。交渉全体を俯瞰しながら、円満解決の道を探ることが大切です。 一般的には、交渉はパッケージで考えるのが原則ですが、特定の状況では一点突破の方法も有効です。 交渉の際には、時と場所をずらすことで、交渉の幅を広げたり、焦点を絞ることができます。このような柔軟な発想が交渉には必要なのです。 POINT ・時をずらすことで、相手にメリットを与え、交渉を有利に展開する。 ・特定の状況では、自分に有利な一点突破の交渉が有効な時もある。