日体大、パリ五輪・パラリンピック報告会 藤波朱理、4年後ロスで五輪連覇だ
日体大は26日、横浜アリーナで第61回体育研究発表実演会を開催。今夏のパリ五輪・パラリンピックに出場した在校生、卒業生合わせて23人(五輪19人、パラ4人)が、大会の成果を報告した。レスリング女子53キロ級金メダリストの藤波朱理(あかり、21)=3年=は、10月に同大レスリング部女子主将に就任。気持ちも新たに、2028年ロサンゼルス五輪での連覇達成へ、覚悟を示した。 美しく輝いたメダルを首にかけた藤波が、日体大の在校生や一般のスポーツファンら約1万1500人の拍手に笑顔で応えた。パリ五輪のレスリング女子53キロ級金メダリストとして臨んだ報告会。心は自然と高まった。 「金メダルを持って参加できて、すごくうれしい。日本や世界を盛り上げられるように頑張っていく」 20歳で初出場の五輪では圧倒的な力で金メダルを獲得。公式戦の連勝記録を137に伸ばした。10月にはレスリング部女子主将に就任。11月24日の東日本大学女子リーグ戦では2試合ともに無失点でのフォール勝ちを決め、連勝記録を139に更新した。国内外で敵なしの状況だが、既に新たな目標を立てた。 4年後のロサンゼルス五輪は、1階級上の57キロ級で挑む。これまで日本女子の連続金メダルは2004年アテネ大会から4連覇の伊調馨ら3人。いずれも同階級、もしくは階級を落としての連覇で、階級を上げての連覇は例がない。 「(来年)6月までに57キロ級の体を作って、しっかりと戦いたい」と藤波。12月の全日本選手権には出場せず、来年9月の世界選手権(ザグレブ)代表選考会を兼ねた6月の明治杯全日本選抜選手権に照準を合わせている。57キロ級はパリ五輪金メダルの桜井つぐみ(育英大助手)や21年東京五輪金メダルの金城梨紗子(サントリー)ら国内でもハイレベル。強豪ひしめく新階級で勝ち抜くためには、さらに強くなる必要がある。 この日の報告会には、柔道女子52キロ級の阿部詩(パーク24)も出席。パリ五輪で連覇を逃した3学年先輩とは以前から親交が深く、24日の試合は、応援に駆け付けてくれた。藤波は「尊敬していて大好きな先輩。ロサンゼルス五輪で2人で金メダルを取れたらうれしい」ともう一つの〝目標〟も口にした。 無敵の世界女王はロサンゼルスで2階級制覇、詩とのダブル金を夢見て、いばらの道を突き進む。(角かずみ)