「メイクアガール」人造人間役の種﨑敦美が苦労したのは収録前「でしょうね、と思ってもらえるはず」【第37回東京国際映画祭】
第37回東京国際映画祭のアニメーション部門で11月5日、「メイクアガール」のワールドプレミア上映前に、安田現象監督、声優の種﨑敦美(0号役)、プログラミング・アドバイザーの藤津亮太氏が角川シネマ有楽町でトークを行った。 【写真たくさん】米倉涼子はオフショルドレスで美デコルテ披露 東京国際映画祭レッドカーペットの様子 同作は、安田監督の自主制作アニメ「メイクラブ」をベースに長編化したSF恋愛サスペンス。原作、脚本、監督、絵コンテ、演出、CG監督を安田が一手に担い、人々の生活をサポートするロボットが普及した近未来の物語がつづられる。今回の上映は、映画祭バージョンとして主題歌なしで上映された。 「こうして無事お届けすることができて安心しています」と挨拶した安田監督は、これまでの自主制作作品と違ってチームでつくってはいるものの、アニメーター4人、モデラー3人の少人数で90分の作品を制作していたことを明かし、今は「本当に完成するんだ」と心地よい脱力感にひたっていると話す。 初めて観客に見てもらう喜びとあわせて「すごく緊張しています」と語る種﨑は、17歳の天才科学者によって“カノジョ”として生み出された人造人間の0号を、「まっさらな状態で子どものようなキャラクター」と説明。人と触れあって成長していく部分は「他の役者たちと掛け合うことで(0号を)成長させようと思いながらアフレコ現場に行きました」と話す。藤津氏から収録で苦労したところを訊ねられると、「収録に行く前、台本を読みながらキャラクターを読み解いていくのにとても苦労しました」と答え、「見てもらうと、『(苦労した)でしょうね!』ときっと思ってもらえるはずです」と笑う。 収録の休憩中、役に関する質問のために安田監督と話した種﨑は、質問への回答後に安田監督から、「この現場ですごく学ばせていただいています」というニュアンスで逆に「ありがとうございます」とお礼を言われたことを振り返る。常に周囲にアンテナを張り、作品のために貪欲に吸収しようとする姿勢が印象に残っているという。 安田監督は、そのときに種﨑からうけた質問が、作り手も大事なポイントだと考えていたのが印象深かったそう。「こうしてお芝居や声の表現ができていくのだと勉強になり、今後のショートアニメなどに生かしていけると思いました」と語り、壇上で種﨑にあらためて「ありがとうございました」と感謝の言葉を告げていた。 「メイクアガール」は、2025年1月31日に一般公開される。第37回東京国際映画祭は11月6日まで開催。