スマホでプロの焙煎パターンを読み込み 焙煎コーヒーを自宅で味わう
パナソニックは家庭用のコーヒー焙煎機とIoT(internet of things=モノのインターネット)を組み合わせた新しい食のサービス事業「ザ・ロースト」を始めた。小型のコーヒー焙煎機をスマホのアプリを使って操作し、定期的に頒布されるコーヒーの生豆を香り高い豆に焙煎し、自宅でコーヒーにして味わうという新たなライフスタイルの提案である。
焙煎パターンをクラウドから読み込む
手順はきわめて簡単で、サービスを申し込むと、新開発した家庭用の焙煎機と厳選したコーヒーの生豆、プロの焙煎士による生豆にあわせた焙煎プロファイル(仕様プログラム)が提供される。生豆を焙煎機にセットし、スマホやタブレットの専用アプリで好みの焙煎パターンをクラウドから読み込んで焙煎機に送信すると機械が認識し、スタートボタンを押すだけで後は自動で熱風焙煎する。10分~15分ほどで香り高いコーヒーの焙煎豆が出来上がる、という流れだ。 スマホで好みの焙煎メニューを選ぶだけで焙煎機が認識し、焙煎の時間や温度、風量などを自動で設定・制御する。まさにIoTのなせる技である。焙煎機に手動で調整する機能はなく、最小限の操作で焙煎が完了する。専門業者が仕入れた生豆を、プロが確立した手法で焙煎するため、自宅にいながら気軽に本格コーヒーを楽しめる。豆の種類も季節にあわせて最大で毎月3種、年間合計36種類の専用の生豆を頒布できるようそろえる。
英国ベンチャーと技術提携、プロの焙煎士のノウハウも
焙煎機はパナソニックが英国のベンチャー企業IKAWAと技術提携し、温度や風量をきめこまかく制御することで、豆ごとに最適な焙煎が実現するようにした。また生豆の輸入はコーヒー輸入商社、焙煎の仕様は2013年の焙煎世界大会でチャンピオンとなった福岡県大野城市の焙煎士が担当する。 実際に生豆から焙煎する過程を追ってみると、開始直後から香ばしい香りが部屋に広がり、次第に深まってゆく。できあがった焙煎豆を挽いて飲んでみても、普段、何気なく飲んでいるコーヒーとの香りの違いは明らかだ。