「去年は毎日毎日 なんかしてましたね」元日の被災地に見る“積み残された”課題【能登半島地震1年 歩みあしたへ】
新潟放送
■シリーズ『能登半島地震1年 歩みあしたへ』 地震から1年を迎えた2025年元日。 能登半島地震 被災地の“今”を取材しました。 【写真で見る】いまだ爪痕残る元日の被災地 震度5強の揺れに見舞われた新潟市西蒲区にある『曽根神社』には、今年の元日も多くの人が初詣に訪れていました。 【参拝者】 「さぁこれからお酒を飲もうか、というタイミングで地震がきて。大変でしたね」「自然災害がないに越したことはないので」 「災害や争いがない、平和な1年がみんなで過ごせればいいかなと思います」 曽根神社では4つの灯篭が倒れ、手水舎も被害を受けました。 【曽根神社 廣川豊宮司】 「本当に潰れるかと思いました」 「幸いにも、これが倒れたときにちょうど人がいなかったんで良かった。本当に、それだけですね」 地元企業などの寄付やクラウドファンディングでおよそ1300万円の費用を工面し、手水舎などは2024年8月に修復を終えました。 一方で、御神体が祭られている社殿には今も、“地震の爪痕”が残っています。 「こういうところが全部ずれちゃって。離れちゃってるっていうか…」 莫大な費用がかかるため、修復の目途は立っていないということです。 「完全復興にはちょっとほど遠いね。まだまだ時間かかると思いますね」 宮司の廣川豊さんは、支援してくれた町と共に歩んでいきたいと考えています。 「ますます町が発展して、神社とともに発展すればいいのかなと思います」 「普段いない息子たちが来て…」 新潟市西区寺尾に住む笠原和子さんは、久しぶりに会う家族とのだんらんの時間を過ごしてしていました。 「お正月の思い出はないですね。去年は、毎日毎日なんかしてましたね」 液状化現象による大きな被害を受けた寺尾地区。 笠原さんの自宅も傾いてしまいました。 5月には家の傾きの修復が終わりましたが、外壁の工事はまだ始まっていません。 「この道が直らない限り、家の外壁は直らない…」 排水管も被害を受け、風呂の排水がうまくできないのも悩みの種の一つです。 「流れないの。水がくるぶしまでくるんですよ。これ毎日」
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