なぜリモートワークで結果が出ない?「できない人」より「普通の人」がハマる落とし穴
成果を出せないのは「普通の人」が一番多いワケ
どんな組織も262の法則(優秀な人2割―普通の人6割―できない人2割)が当てはまると言います。実はこの中で、リモートワークによる成果を出せないのは「普通の人」が一番多いのです。 ではまず「できない人」を考えていきましょう。できない状況というのはなんらかの理由で露呈します。たとえば連携ミスが出る、社内の締切に間に合わない、お客さまが激怒するなどです。 そのような場合、管理を強化する、運用をチェックするなど誰かの何らかのフォローが入ります。つまり良くも悪くも放置できないため、「常にコミュニケーションがあり、プロセスや成果が把握できる状態」になりやすいのです。その分、周囲の助言も受けやすく、改善もしやすい状況が作り上げられ、結果的には一定の成果につながることが想定されます。 また、優秀な人の場合、優れたリーダーシップや高いコミュニケーション能力が備わっています。リモートワークにおいても、メンバーの素質を引き出し、チームの能力を最大化させるという組織としてのミッションを体現しようとします。 そのため、自ら発信し、また相談を受け、コミュニケーションの時間を重要視します。当然、「プロセスもわかり、相談の中で改善もでき、良い成果につながる状態」が保たれます。 最後に普通の人はどうでしょう。 業務や時間配分については、自身で一通り完結できます。また、強いリーダーシップやこだわりがない分、意見や大きなミスもないので、問題なしという意識で放置されがちです。結果、いつの間にかやり取りはコミュニケーションという名の要件、決定事項の報告になり、プロセスを相談、報告しないようになります。 評価者もプロセスが分からないので成果のみで評価せざるを得ません。そうなると最終的には本人がプロセスを軽視し「成果物だけを出す」ことのみに固執するという負の連鎖に入ります。成果物を出すために、大量のタスクを請け負ったり、無理なスケジュールを設定し、孤独で不安定な状態に陥ってしまうのです。 これでは成果が上がるはずがありません。そう、リモートワークで一番成果を出せないのは普通の人なのです。