日生、上期に国内債券で6000億円以上を入れ替え-運用収益の改善狙い
(ブルームバーグ): 日本生命保険の都築彰・執行役員財務企画部長は9日の投資家向け説明会で、運用収益を改善するため、国内債券全体で上期(4-9月期)に6000億円以上の資産を入れ替えたことを明らかにした。
同社は金利が上昇してきた数年前から継続的に入れ替えを進めており、金利低下の局面では売却する一方で30年金利が2%を上回ったときには投資するなどして「機動的にペースを調整しながら入れ替え投資を実施している」と述べた。
国内大手生保4社が運用する資産の大半を占める国内債券の含み損は、日本銀行の利上げに伴う債券利回りの上昇(価格は低下)により増加傾向にあり、日本生命の場合には9月末時点で2兆188億円に膨らんでいた。
10年国債利回りは日銀が3月に利上げに踏み切る前の0.7%台から直近では1%台に上昇している。生保各社は運用ポートフォリオの改善に向け、利回りの低い債券から高い債券への入れ替えを進めている。
今後について都築氏は「入れ替えペースをどうしていくのか、またはデリバティブを用いたヘッジ活用の検討なども含めて具体的なアクションプラン」を検討していると述べた。
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Nao Sano