バイクもクロスオーバーSUVが人気の時代に! 名機K5の4発エンジン搭載のGSX-S1000GX|試乗試乗記
広がりを見せるアドベンチャーツアラー
先日、ヨーロッパでバイクに乗ったとき、改めて実感したのは、都市部での道路環境の違い。特に旧市街における石畳の道はガタガタしている上、路面電車の線路も敷かれ、滑りやすく二輪車で走るにはかなり手強い。雨が降れば、なおさら厄介だ。 そんな欧州で昨今人気を博しているのが、“二輪版SUV”ともいえるクロスオーバーモデル。スズキはGSX-S1000シリーズのニューモデルとして、アドベンチャーツアラー『GSX-S1000GX』を新発売した。 上の写真はメーカーの公式ビジュアルのひとつだが、筆者が言うのはまさにこの画像にあるような路面だ。『GSX-S1000GX』がこうした凹凸のある石畳の道を想定し、開発されていることがわかる。 リッタークラスのアドベンチャーモデルは、全世界でおよそ20万台の市場規模があり、そのうち約3万台がクロスオーバータイプとなっている。 需要の高まりと同時にさまざまなモデルが各メーカーから発売され、カテゴライズが難解になりつつあるが、ここで言うクロスオーバーモデルは、オンロードスポーツをベースにした機種を示す。つまり『GSX-S1000GX』がそうであるように、スーパースポーツ用として生まれたハイパワーな並列4気筒エンジンが、高剛性なアルミ製ツインスパーフレームに搭載され、足回りもまたロードモデルがベースであることがわかる前後17インチとしている。 近年では国内市場でもアドベンチャーツアラーの人気が高まっている。乗り心地に優れる車体設計で、ストロークの長いサスペンションを持つことや、ウインドプロテクション、高速巡航性能、積載力などツーリングでの快適性が求められている。
スズキGSX-S1000GX……1,991,000円
多様化する要望とユーザーに向け、スポーツ性能とコンフォート性能を高いレベルで両立するニューモデルが『GSX-S1000GX』だ。 これでGSX-S1000シリーズは、ネイキッドスポーツでベーシックモデルの位置づけとなる『GSX-S1000』を筆頭に、グランドツアラーの『GSX-S1000GT』、そしてグランド・クロスオーバーの『GSX-S1000GX』と、充実したラインナップとなった。