ドラフト指名されなかった君へ「2度指名漏れから1位」ヤクルト・吉村貢司郎の金言…「悔しさを生かすも殺すも自分次第」「諦め悪いですね(笑)」
食堂でテレビを見守った2度目
迎えた社会人2年目。2021年10月11日、2度目のドラフト会議は東芝の寮の食堂でチームメートと夕飯を食べながらテレビ中継を見守った。2年前より手応えはあった。期待と不安が入り混じる中、今度もまた自分の名前が呼ばれることはなかった。 「泣いたりとかは全然なかったです。チームメートも普通に『お疲れ』って。親が一番気にしていたかもしれないです。僕は全然気にしていなかったけれど、母親はプロという夢を心から応援してくれていたので……。すごく寄り添ってくれました」 東芝の平馬淳監督(当時)からは「来年、ドラフト1位で行こう。絶対に行けるから、そこを目指してやっていこう」と背中を叩かれた。 「3年目が勝負。それ以降は多分難しいということもわかっていました。ドラフト1位で行く。そのために何をするべきなのか。とにかく結果を出さないといけないんだ、と」
目標達成シートの中央に「ドラフト1位」
大谷翔平(現ドジャース)が活用していたことで有名な目標達成シート「曼荼羅チャート」の中心のマスに、「プロ入り」ではなく「ドラフト1位」と書き込んだ。それを現実のものにするために、どんな数字を目指すのか、そのために取り組むべきことは何か。 「一番変わったのは意識の面です。トレーニングや栄養の勉強もしましたし、何より野球の考え方、ピッチングに対する意識ですかね。データや配球を深掘りするようになったり、ブルペンの投球練習から1球ずつ試合の流れを想定して投げたり、どう配球するのか考えながら取り組むようになりました」 当時の東芝野球部はピッチング練習が特に厳しく、漫然と球数を投げ込むような雰囲気は皆無。1球1球、頭をフル回転させることが求められたという。 「真っ直ぐを投げた後、変化球をどんな風に投げるのか。真っ直ぐが狙いとは違う場所に行ったとしたら、それを活かすために次の球はどう投げればいいのか。キャッチャーの方からも色々とアドバイスをいただいて、バッターが嫌だと思うことは何なのか考えながら投球できるようになりました。自分が成長する上で大切な時間になったと思います」
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