フェザー転級は「上げるべき時が来たら」 井上尚弥、米ESPN番組内で階級上げに言及「フェザーの身体になった時に考えます」
転級について一貫してブレはない。 現地時間6月8日、ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は、米ニューヨークの“聖地”マディソン・スクエア・ガーデンで行われている興行に登場。試合中継を担っていた米スポーツ専門局『ESPN』に出演し、注目されるフェザー転級に対する持論を語った。 【動画】井上尚弥に吠えたキャリントンの衝撃失神KOシーンをチェック 数々のビッグマッチが行われてきた“聖地”に降り立ったモンスター。やや緊張した面持ちで『ESPN』の番組にゲスト出演すると、「あなたをフェザー級の王者たちが待っていますが、フェザー級に上がるチャンスはどれだけあるだろうか?」と問われる。これにはさすがに表情をキリッとさせ、こう切り返している。 「上げるべき時が来たら、そういう案も考えている。しっかりとフェザー級の身体というものになった時に考えます」 昨年12月にマーロン・タパレス(フィリピン)とのスーパーバンタム級4団体統一戦を制した井上。史上2人目となる2階級での4団体統一を果たして以降、彼の下にはフェザー級の猛者たちからも挑戦を求める声が噴出。この日の興行に出場するWBO同級4位のブルース・キャリントン(米国)も「何十年にもわたって人々の記憶に残り、孫たちの代にまで語り継がれるような大きな戦いの一つになる」と求めていた。 無論、ひとつ上の階級から対戦を求められるのは、井上が持つ“価値”が異次元だからこそ。5月6日に東京ドームで行われたルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦では、放映権料を含めて2800万ドル(約42億8400万円)のゲート収入を生んだと言われている。これは軽量級においては異例の金額だ。 しかし、井上はそうした誘いに対しても自身の信念を貫いた。それはかねてから「『敵がいないから上げろ』ってみんな言いますけど、階級をひとつ上げるのはそう簡単なものじゃない。それで自分のパフォーマンスが潰されるなら上げることはしない」と明言してきた通りだった。あくまで自分の“ベスト”が出せなければ、階級は変えないという考えは不変である。 米メディア、それも全国的なネットワークを誇る『ESPN』で自身の理想を語った井上。そのアピールは、米国を拠点とする戦士たちにどう響くだろうか。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]